2013.6.19 カテゴリー|湿潤療法
60代女性
昨年12月に、転倒して左下腿を打撲しました。打撲によりできた皮下血腫にばい菌が入り蜂巣炎になり、某病院に入院し切開手術を受けました。手術後、創が開いてしまい、消毒と軟膏とガーゼによる治療を受けていましたが、いっこうに創が治らないため、息子さんが心配してインターネットで調べて、4月4日に練馬光が丘病院の夏井睦先生の外来を受診ししました。そこで湿潤療法について説明を受け、自宅に比較的近い当院に紹介されました。
当院初診時の写真です。左下腿の前面に長径3㎝位の皮膚欠損層を認めます。
週2回、通院してもらい、それ以外の日は自宅で、入浴後にプラスモイストの交換をしてもらいました。
本人の希望もあり加圧トレーニングもしてもらいました。
1か月後の写真です。わかりにくいですが、創は小さくなっています。
2か月後、皮膚が出来上がって治りました。
消毒と軟膏とガーゼで治療を4ヶ月続けても治らなかった創が、湿潤療法で2か月で治りました。
やっぱり、消毒と軟膏とガーゼによる従来の治療法より、湿潤療法のほうがすぐれています。
ちなみに、加圧トレーニングが創の治癒を促進したかどうかは、比較ができないのでわかりません。
しかし、理論的には、加圧トレーニングをすると、創の治癒を促す成長ホルモンが大量に分泌されるし、患部の血流もよくなるので、創の治癒を促進するのではないかと思われます。