2023.10.17 カテゴリー|その他, トリガーポイント注射
60代の男性
2年くらい前に、右殿部から下肢の痛みを主訴に当院を受診しました。
殿部から下肢、膝の筋痛症と診断してトリガーポイント注射を3回行いました。
それっきり受診しませんでしたが、先日超久しぶりに再診してきました。
「ここに通っても良くならなかったから、I病院でMRI等をしたけど異常がなくどこも悪くないと言われた。仕方ないからT整形外科に行ったけど、そこでも異常なしと言われた。だから、N病院に行ったら変形性膝関節症かもしれないと言われた。変形性膝関節症かどうかC病院で診てもらいたいから紹介状を書いてほしい。」
と言われました。
唖然としました。
「ここに通っても良くならなかったから」の時点でちょっと切れかかりましたが、「紹介状を書いてほしい。」で完全に切れてしまいました。
それでも声は荒げずなるべくやさしく、以下の様に説明してお断りしました。
「○○さんにはわからないのかもしれませんが、それは私に対するあまりにひどい侮辱です。○○さんはたった3回の通院で私のことを見限って、他の病院に行ったんですよね。で、今度は私の診察も治療も受けないで紹介状を書けというんですか、それはあまりにひどい。私の整形外科医としてのプライドがズタズタに傷つけられました。紹介状というのは、私が診察と治療をして、大きい病院で精査を受けたほうがよいと考えたときに書くものです。いきなり書いてくれといわれても書けません。どうしてもC病院にかかりたいなら変形性膝関節症かもしれないと言ったN病院の先生に書いてもらうべきです。それがスジです。なので私は紹介状は書けません。」
理解も納得もしてなさそうでしたが、あきらめて帰られました。
そもそもドクターショッピングしすぎですよね。
テレビの健康番組の見過ぎで、痛みには何か重大な病気が隠れているはずだという思い込みがあり、異常をみつけてくれる病院を探し回っているのでしょう。
最初の最初に私がした「筋肉が硬くなっているせいの痛み」という説明は、理解も納得できなかったのでしょう。
それも、歩けないほど痛いならまだしも、普通に歩けて仕事も出来てるんですよ。
つけるクスリがありませんよ。