2023.12.01 カテゴリー|その他の治療について, トリガーポイント注射
日本整形外科学会から筋膜ハイドロリリースが保険適応申請されています。
その点数2876点、トリガーポイント注射80点の36倍です。
こんなに差があったら、馬鹿馬鹿しくてトリガーポイント注射なんかしてらんないよ。
エコー見ながら生理食塩水注射するだけで28,760円も儲かるなんて、いい仕事だな。
そんな私のつぶやきに対して、滋賀県でトリガーポイント注射をしている松本道明先生が慰めてくれました。
松本道明@michiaki_m
先生、患者負担も増えるわけですから、医療界のダイソーとして薄利多売で一緒に頑張りましょう
😉西堀靖広@ゴルフ大好き整形外科医@borinisi
他院で1人にハイドロリリースしてる間に36人にトリガーポイント注射をすればいいだけですね。
がんばります。
松本道明@michiaki_m
はい、安い、うまい、早い、吉野家の精神で行きましょう😆
10箇所以上トリガーポイントがあるような患者さんがいてはったら、いちいちエコーしてられへんとおもとります(ブギウギ風)
松本先生は本当に尊敬できるいい先生だな。
近畿地方で慢性痛に悩んでいる方は松本先生に診てもらうといいですよ。
そもそもハイドロリリースに3万円近く支払うほどの効果があるのかという素朴な疑問もあります。
痛みの原因が筋膜の癒着であるという仮説は証明されていませんし、生食を注入することで本当に筋膜の癒着が剥がれるのかどうかも証明されていません。
仮説に仮説を重ねた不完全な治療です。コロナワクチンのような危険性はありませんが値段に見合った効果は期待できないと私は思っています。
私の記憶ではハイドロリリースを始めたのは、それまでトリガーポイント注射をしていた群馬県の麻酔科医です。
それに整形外科開業医にエコーを売りたかったエコーメーカーが乗っかって、しきりにアピールして広がったのです。
整形外科医なら実際に手術をする際に筋膜の癒着なんて見たことないはずなのに、みんなあっさりその仮説を信じました。
やっぱり医者って騙されやすいのです。あまり頭が(以下自粛)
ただ、これは保険適応申請しただけなので、審議会で認めて貰えなければ保険適応外のままです。
財務省も厚労省も社会保険料の削減を目指していますので、こんな怪しい治療が保険適応になることはないと思っています。
保険適応になってもやるつもりないけどね。患者さんがいっぱいでそんな時間ないもん。
2023.11.07 カテゴリー|その他の治療について
よく患者さんに「温湿布のほうがいいですか、冷湿布のほうがいいですか?」と聞かれます。
そんなときは「別にどっちでも同じです。患者さんが効くと思う方を使ってください。」と応えています。
通常の痛みは基本的にに温めたほうがいいです。
冷やしたほうがいい痛みは、打撲や関節炎などで腫れているときです。
しかし、温湿布には患部を温める効果はありません。湿布に含まれるカプサイシンの作用で温かく感じるだけです。
冷湿布にも患部を冷やす効果はありません。湿布に含まれるメントールの作用で冷たく感じるだけです。
温めたほうがいいときはホッカイロなどで物理的に温めたほうがいいです。
冷やしたほうがいいときはアイスノンなどで物理的に冷やしたほうがいいです。
湿布や貼付剤は、皮膚を刺激することでゲートコントロール理論の原理を利用して痛みを和らげているのです。
なので、温湿布も冷湿布も効果は一緒です。
ゲートコントロール理論とは、痛みが伝達する途中にゲート(門)があり、痛みの伝わり方をコントロールしているという疼痛理論です。この考え方は、1965年にロナルド・メルザックとパトリック・ウォールによって発表されました。
刺激を伝える神経には、痛覚を伝える細い神経繊維と、触覚による圧力などを伝える太い神経繊維があるとされています。複数の刺激が同時に発生すると、感覚を脳に伝える経路の門番である脊髄は、太い神経からのシグナルを優先的に受け取り、後からくる細い神経からのシグナルに対しては門を閉ざすというのです。
痛いところをさすると痛みを緩和することができるのは、別の刺激が入ることで、痛みのゲートを閉じさせる効果があるためと考えられています。
難しく書いてありますが、簡単に言うと「皮膚を刺激すると痛みがやわらぐ」ということです。
湿布も貼付剤も皮内針もエレキバンもこの原理で効いているのです。
「痛いの痛いのとんでいけ!」も同じ原理です。
ロキソニンテープのCMでは、有効成分が患部に染み渡って効くようなイメージを流していますが、あれはほぼ嘘です。皮膚は人体最大の防御器官かつ排泄器官であって吸収器官ではないので有効成分はほとんど吸収されません。
ピップエレキバンの磁力の力で血流をよくするというCMも嘘です。高校の物理をちゃんと勉強していればそんな現象はおこり得ないことがわかるはずです。
湿布も貼付剤もビリビリするから効くんです。
2023.10.13 カテゴリー|その他の治療について
現在アキレス腱断裂でギプス治療中の患者さんから「周りの人間みんなに、アキレス腱が切れているのに手術しなくていいのか?と聞かれた。」と言われたので、あれもしかして、一般の人はアキレス腱断裂=手術と思ってるのかなと考え、Twitterで以下のようにつぶやきました。
「アキレス腱断裂は手術しなくても、くっつくよ。」
そしたら、「目からなにかが落ちた」「今までの“常識”が どんどんひっくり返ってるw」「エーー!驚くことばっかり〰!!」「まじっすか!!」などの反応がありました。
やっぱり、一般の人はアキレス腱断裂=手術と思っているのですね。
私は少なくとも50例以上、手術なしギプスのみでくっつけてます。
再断裂の経験はありません。
受傷から2週間以上経っている陳旧例もギプスのみでくっつけたことがあります。
私が3年目に赴任した保原中央病院の佐藤伸一先生が、アキレス腱の保存療法に習熟していて、マンツーマンで教えてもらったので、私はギプスだけで治すことが出来ます。
しかし、ほとんどの整形外科医は、保存療法のやり方を知っていても実際に見たことがなく、手術療法しか習ってないので、怖くて患者さんに保存療法を勧めることが出来ません。
整形外科医が手術ばかり勧めるのだから、一般の方がアキレス腱断裂=手術と思い込んでいても仕方がないですよね。
ギプスによる治療法では、2週間おきに足首の角度を変えてギプスを巻き替えて、合計6週間ギプス固定します。ギプスを外した後は4週間くらい、捻挫用のサポーターを巻いてもらいます。
手術と違って、腱の短縮が起こらないからリハビリは必要ありません。
詳しくはこちらのブログ記事を読んでください。
アキレス腱断裂は手術の必要なし!
http://www.nishibori-seikei.com/blog/2013/09/post-329.html
2023.10.06 カテゴリー|その他の治療について
わかりやすい基準として、薬を減らせる医者は名医だよ。
例えば治療中の患者さんが、便秘になったとします。その時に安易に下剤を処方するのではなく、今、処方している薬の副作用の可能性を考え、その薬が本当に必要かどうか考え、薬を減らしたり、別の薬に変えたり出来る医者が名医です。
患者さんの症状がよくなったときに、薬を減らせる医者が名医です。
患者さんの症状がよくなったのに、再発したら困るからと薬を続けるのが○医者です。
必要ない薬や副作用が出た薬は減らすのが当たり前なのに、なぜか足し算しか出来ない医者がたくさんいます。
「薬を止めて何か起きたらどうするんだ。」とか言っちゃうくせに、「薬を増やして何か起きたらどうするんだ。」とは考えません。
不思議ですね。
2023.09.14 カテゴリー|その他の治療について, 新型コロナ
これまでずっとワクチンは絶対正義だと教わってきました。
私はへそ曲がりなので、「インフルエンザワクチンて効いてなくね?」「HPVワクチンてあやしくね?」と思っていましたが、その他のワクチンに関しては疑うことなく「やったほうがいいに決まっている。」と考えていました。ワクチンは絶対正義で思考停止していたのです。
なので、自分の娘たちには子供のころの定期接種のワクチンは全部打たせました。
しかし、今回のコロナワクチンでワクチンに対する不信感が激増しました。なので一度、他のワクチンについてゼロベースで疑ってみることにしました。
私はずっと天然痘の撲滅はワクチンのおかげだと信じ切っていました。でも最近、そうではないという説もあることを知りました。実際に天然痘ワクチンを接種した人は世界人口の数%だけだったそうです。
確かに、①ヒトにしか感染しないウイルスである。②特徴的な症状があり患者の隔離が容易である。の2つの条件が揃っていれば、ワクチンがなくても患者さんを隔離するだけで撲滅可能です。
どうやら天然痘撲滅はワクチンのおかげではないという説は事実のようです。
私たちはずっと騙されてきたのです。
下のグラフを見てください。
破傷風の患者数も死者数も破傷風トキソイドが導入される前から減り始めてるし、定期接種が始まる頃にはすでにかなり減少しています。
患者数が減った理由は出産時の衛生環境がよくなって新生児破傷風が激減したことや、怪我をした際の洗浄やドレナージなどの処置が適切に行われるようになったからではないと推測してます。
グラフを見る限りワクチンのおかげで患者が減ったとは言い切れないですよね。
もう何を信じていいのわかりません。
とはいえ、今後も破傷風菌に汚染された可能性がある深い創の患者さんに対しては、破傷風トキソイドのブースター接種をするつもりです。もし、患者さんが破傷風になってなくなってしまって、訴えられたら100%負けるからです。そうです。ぶっちゃけ保身のためです。
麻疹に関しても同じようなグラフがあります。
日本においては麻疹の予防接種が始まる50年前から麻疹による子供の死亡率は激減していています。
これはおそらく抗生剤の登場で麻疹に伴う合併症の重症肺炎を治せるようになったこと、ICUなどでの全身管理の医療技術が進歩したおかげだと推測します。
アフリカなどの医療インフラが整備されていない発展途上国では今でも麻疹で亡くなる子供がたくさんいるので、麻疹ワクチンが必要と思われますが、日本でも絶対に必要なのかと言われると返答に困ります。
ただ、破傷風も麻疹も風疹も致死率が高い感染症だし、ワクチンの副作用もほとんどないので、打っといた方がいいのかなと考えています。
インフルエンザワクチンは効果が微妙ですが、副作用も少ないので打ちたい人は打ってもいいかなと考えています。
HPVワクチンの有効期間は6~9年です。ワクチンが効いているであろう15歳から24歳の子宮頸がんによる死亡率は元から10万人中0人です。(国立がんセンター がん統計より)
元々死亡率がほぼ0のがんを予防するために、稀に普通の日常生活が出来なくなるような副作用が出るワクチンを打つ必要がありますか?
もしも孫が出来たら、定期接種はやっぱり受けさせるのじゃないかと思います。
今のところ、世の中とケンカしてまでワクチンを打たせない断固たる決意がないからです。
HPVワクチンとインフルエンザワクチンとコロナワクチンは受けさせません。
ちょっと前までは子供に定期接種を受けさせない親のことを、「変わりものの親を持つと子供がかわいそうだよ。」と思っていましたが、今は違います。それもひとつの選択肢として尊重します。推奨はしませんが批判もしません。
これが現時点での私のワクチンに対する感想です。
議論する気はないので反対意見を送ってきても無視します。ご了承ください。
2023.09.04 カテゴリー|その他の治療について
両手首が痛くなった女性が、近所の整形外科に行ってMRIまでやったけど原因不明で、リウマチ科に紹介されたけど原因不明で、上司の紹介で電車で4時間かけて当院を受診しました。
狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)でした。
触診だけで診断出来ました。
注射1回で治りました
このような書き方をすると、まるで私が名医のようですが、そんなことはありません。
私が研修医の頃の先輩医師たちが全員普通に出来たことをやっているだけです。
MRIやヘリカルCTの普及に伴い、整形外科医の診断レベルはどんどん落ちているんじゃないかと感じています。
画像診断ばかりしていて、触診や理学所見の取り方を覚えないから、絵に描いたような典型的な狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)さえ診断出来くなっているのでしょう。
でも検査やりまくるから儲かります。
私なんか初診料と腱鞘内注射料(270円)しかもらえません。
日本の医療制度はヤブ医者のほうが儲かる仕組みになっています。
別の患者さんは、某整形外科で親指の腱鞘炎と診断され、1ヶ月間毎日のようにレーザー治療を受けたけど、ひとつも良くならないからと当院を受診しました。
注射1回で治りました。
やっぱり、ヤブ医者のほうが儲かる仕組みになっているでしょう。
また別の患者さんだけど、「10年前からあちこちの整形外科にかかったけど、どこも薬を出すだけで何もしてくれなかった。ここなら注射してくれると聞いて来た。」と言ってました。
「なんで他の医者は注射してくんねんだ?」と聞かれたけど「俺にもわかんねえよ。」と答えました。
まさか整形外科医なのに注射のやり方を知らないなんてことはないだろうし、金儲けのために注射をしないでだらだら治療しているわけでもないだろうし、ホントわかんないです。
2023.07.04 カテゴリー|その他の治療について, トリガーポイント入門, 医療に関する迷信
日本人て、安全性が確認されてないワクチンモドキに飛びついちゃうくらい薬大好きなのに、なぜか「痛み止めはなるべく飲まないほうがいい」と思ってる人が多いよね。
痛み止めは我慢してから飲んでも効かないよ。
痛くなったらすぐに飲んだ方が効くし、飲む量も少なく済みますよ。
2023.03.31 カテゴリー|その他の治療について, ビオチン療法, 湿潤療法
日曜日にやっている皮膚科をググって当院を受診する患者さんがいますが、私は皮膚科に関しては専門ではないし、液体窒素もないし、レザー治療機もないので、たいしたことが出来ません。
正直、ビオチン療法をやるためだけに皮膚科を標榜してます。ちなみに形成外科は湿潤療法をやるためです。
日曜日の外来は駐車場も待合室の椅子もなくなるほどの激混みなので、1時間以上待った患者さんに「それうちでは診れないから、皮膚科専門の先生に診てもらった方がいいよ。」と説明することは、本当に申し訳ないです。
笠間市笠間に太田皮膚科という皮膚科専門のクリニックがあり、日曜日も9:30~12:00まで診療してます。
普通の皮膚疾患、湿疹や水虫や疣などは、私なんかより太田先生に診てもらった方が絶対にいいです。
スリキズ、キリキズ、ヤケドなどで湿潤療法を希望する患者さんや、掌蹠膿疱症でビオチン療法を希望する患者さんは当院を受診してください。
2022.11.28 カテゴリー|その他の治療について
12月14日に私の先輩で、日本一TKA(人工膝関節全置換)をやっている坂下厚生病院副院長の菊地忠志先生がWEBセミナーをやるそうです。
菊地先生は非常に後輩の面倒見のいい先生で、私も何度もTKAのやり方を直接教えていただきました。後輩達はみな、親しみを込めてチュウ先生と呼んでいます。
演題名は「変形性膝関節症に対するヒアルロン酸関節内注射の有効な投与法」です。
担当の科研製薬のMRに「ヒアルロン酸注射なんか誰でも出来るだろう。せっかくチュウ先生に講演してもらうならTKAの話にすればいいのに。」と言ったら、「最近の若い整形外科医の先生達はあまりヒアルロン酸関節内注射をしないんです。菊地先生はアルツ(科研製薬のヒアルロン酸製剤)の使用量も日本一なので、注射のやり方をご伝授いただこうという企画です。」と説明されました。
驚きました。
最近の若い整形外科医はトリガーポイント注射をやらないことはよく知っていましたが、ヒアルロン酸関節内注射もしないんですね。
ということは、問診して画像診断して投薬して、良くならなければ手術ということですか、それじゃダメじゃね。
確かにアメリカなんかではヒアルロン酸関節内注射はプラセボに比べて効果がないという論文が出てますが、痛みは患者個人の不快な情動的経験であって定量的に測定することが不可能なんだから、そもそも論文なんてあてにならないのよ。
私の個人的な経験でいえば、ヒアルロン酸関節内注射が劇的に効く患者さんもたくさんいます。
以前から主張していますが、痛みの治療はプラセボ効果をいかにうまく使うかにかかっているので治療手段は多ければ多いほど良いのです。
注射は接骨院や鍼灸院で出来なくて整形外科だけで出来る治療です。それが出来ないなんて開業したら接骨院に負けて潰れちゃうよ。
ちなみに菊地先生の講演会を聞きたい方は下のQRコードからアクセスしてください。
2022.10.25 カテゴリー|その他の治療について
先日、知人に「最近テレビでやたらとCMをやっている帯状疱疹ワクチンを打った方がいいか?」と聞かれたので、「打たなくていいです。かかったらすぐにうちにきてください。治しますからwww」と答えました。
帯状疱疹はかかっても死なないし。
抗ウイルス薬もあるし、神経痛が残ってもリリカで治療可能だし、なるはやで見立てのいい医者にかかることです。
死ぬか重篤な後遺症を残すかしない病気にワクチンはいらないと思うんですよね。
麻疹、風疹、日本脳炎、破傷風などは死ぬからね。ポリオは麻痺が残るしね。
帯状疱疹も運が悪ければ失明したり顔面神経麻痺が残ったりすることがありますが、滅多にない後遺症だし、治療が早ければ防げる可能性が高いです。
ちなみに帯状疱疹ワクチン(シングリックス)のお値段は2回で21,600円だそうです。
副作用として注射部位の局所症状(赤み、かゆみ、熱くなる、腫れ、痛み、硬くなる)、発疹、倦怠感などが 報告されています。 また非常にまれですが、アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難、口唇のまわりの腫れなど)や、血小板 減少性紫斑病(皮下出血、鼻血、歯ぐきの出血など)がみられることがあるそうです。
当院では帯状疱疹ワクチン接種は行っていません。
もちろん私も受けるつもりありません。。