2022.01.20 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
70歳女性
特に何もしていないのに右股関節が急に痛くなり、翌日当院を受診しました。
股関節のレントゲンを撮りましたが、特に異常はありませんでした。
股関節周囲の筋痛症と考えてトリガーポイント注射を打ちました。
トリガーポイント注射を3回行っても痛みが改善しないため、1週間後に再度レントゲンを撮りました。
矢印のところが少し怪しいと思いました。
大腿骨頚部骨折の可能性があるので、すぐに県立中央病院整形外科に紹介しました。
CT検査で骨折が確認されたので2日後に手術(骨接合術)が行われたそうです。
骨粗鬆症がある高齢者が転ぶと大腿骨頚部骨折を起こすことはよくあります。
骨粗鬆症のある高齢者の背中や腰の骨(胸椎、腰椎)がいつの間にか折れてしまうこともよくあります。
でも大腿骨頚部いつの間にか骨折は医者になって初めて見ました。
骨折に気がつかずに放置して骨折がもっと転位してしまうと人工骨頭置換術という侵襲の大きい手術を受けなければいけなくなるところでした。
ギリギリで気がついて良かったです。
経験と知識からくる野生のカンが働いて良かったです。