2012.7.13 カテゴリー|その他の治療について
先日紹介した。汗疱の患者さん
https://nishibori-seikei.com/blog/2012/07/post-48.html について、夏井先生に報告したところ、夏井先生のHP
http://www.wound-treatment.jp/title_new.htm で塩分制限って本当に必要なのか?という議論になりましたので、まとめてみました。
6月5日のこのコーナーで紹介した「汗疱の原因は塩分摂取不足では?」というメールを紹介しましたが,茨城県のにしぼり整形外科の西堀先生からこんなメールをいただきました。
この「漢方と塩分不足」,「高血圧対策としての塩分制限の妥当性」についてご存知の先生がいらっしゃいましたら,ご教示いただけましたら幸いに存じます。
それに対する反応
塩分と高血圧について早速教えていただきました。
まず,心療内科の先生から。
三石巌氏の書。減塩指導する医者の愚かさが記載されています。
「医学の常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」」
そしてもう一つ。
「すべての人に減塩を勧めるのではなく、食塩感受性の人だけに勧めるべきであるという考え方が強くなってきている。減塩で血圧降下が期待できるのは食塩感受性者だけであり、しかも、その比率が低いものであることも分かってきたからである」というのを読んで,ちょっとびっくり。私の高血圧に関する知識,間違っていたんだ。
「
汗疱と塩分不足」の発端となったメールを寄せていただいた方(素人の方です)からの追伸です。
汗疱の症状改善に役だった例があったようで嬉しい限りです。
現在の世の風潮としてとかく誰に対しても「減塩!減塩!」と叫ばれており、まるで塩が毒かのような扱いを受け、その結果知らず知らずのうちに「塩は出来るだけ摂らない方がいい」「塩を摂らない方が健康的」などと思ってしまってる人が非常に多いと感じております。私も実際数年前までは漠然とそう思っておりました。
しかしふと疑問をもち色々調べてみると塩分摂取を控えるようにという理由がどれもはっきりした根拠が無く、逆に塩分不足による弊害の方が非常に多いのではないかと思うに至りました。
塩分過剰により
・高血圧になる
・胃がんになりやすい
・腎臓に負担がかかる
この様な事が云われておりますが、どれも疑問に思うことばかリです。
高血圧に関しては今日紹介があった食塩感受性もそうですし、胃がんになりやすいというのは東北の人が胃がんが多いのと食塩摂取量が多いのを結びつけているだけで明確な理由がありません。塩分が胃がんを招きやすい理由として胃に食塩という刺激物が入る事によってガンになりやすいなどと説明している先生もいますが塩酸から保護されている粘膜が食塩なんかでダメージを受けるでしょうか?
又、腎臓は塩分を排出するので塩分が多いと負担がかかるなんて話も腎臓の塩分排出の仕組みから考えたら噴飯ものだと思います。糸球体で血液を物理的ろ過した水分から尿細管で塩分を最吸収する事を考えると塩分(ナトリウム)が少ないほど腎臓は仕事をしなくてはならず、ナトリウムが多いほど楽が出来るという事になると思うのですが。
昔に比べると熱中症で倒れる人が非常に多いような気がします。(これはデータを調べてないのではっきり言えませんが)
高校駅伝で脱水症状でリタイヤしたり学校の屋外授業で倒れる事例も相次いでるのは、慢性的な塩分不足の人が増えている結果という可能性も考えられます。
一昔の人が消毒しないとバイキンが入って大変になるよという呪縛に縛られていたように、塩分に関しても大部分の人が控えなきゃいけないという呪縛にしばられているのではないかと思います。
消毒や糖質制限と同じように間違った呪縛にとらわれて不健康な生活を送っている人が健康的な生活を取り戻せるよう、塩の重要性についても話題としてとりあげていただければ幸いです。
ざっくりとまとめるとこんな感じでしょうか。