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院長BLOG

知ったかぶりして治療の邪魔をしないでほしい。

2012.4.27 カテゴリー|その他の治療について

約1年前に右股関節痛のため歩くのが困難になった80歳代の女性が受診しました。変形性股関節症に伴う筋筋膜性疼痛症候群と診断し、股関節周囲のトリガーポイントにトリガーポイント注射を週1回ずつ10回ほど行ったところ、症状が改善し杖で歩けるようになりました。

 

ところが、親戚の人に「痛み止めの注射をすると、歩けなくなる」と言われて、不安になり治療を中断してしまいました。
その後痛みが再発し、徐々に歩けなくなっていきました。しかし、「注射をすると歩けなくなる」と思い込んでいるので、家族がいくら説得しても当院を受診しませんでした。

 

いよいよ痛みがひどくて我慢できなくなり、昨日、当院を受診しました。トリガーポイント注射を行ったところ、痛みは劇的に改善して、また杖で歩けるようになりました。しかし、もう少し治療の再開が遅れていたら、本当に歩けなくなってしまう可能性もありました。

 

歩けなくなるのが怖くて、治療を受けなかったら、そのせいで歩けなくなってしまうところだったのです。笑い話にもなりません。医学の勉強をしたわけでもないのに、知ったかぶりをして医療についてアドバイスするのは、それが親切からきている行為だとしても、やるべきではありません。もし、そのアドバイスのせいで患者さんの状態が悪化した場合、どのように責任をとるのでしょう。

授業参観に行ってきました。

2012.4.24 カテゴリー|その他

先週の土曜日に小学校の授業参観に行ってきました。

6年生の授業は理科の実験。

児童が真面目に実験しているのに、見学している親たちがべちゃくちゃしゃべっていました。

たった50分くらい黙って見ていられないのかな。

昨年度は学級崩壊があり担任が交代になったほど、問題児が多い学年です。

学級崩壊の原因は先生のせいばかりじゃなく、やっぱり親にもあるんだろうと感じました。

キジが顔を出しました。

2012.4.24 カテゴリー|その他

隣の空き地にキジのつがいが住んでいます。

今日はお天気がいいからか、顔を出して

「けーん。けーん。」

と鳴いていました。

のどかな田舎の診療所からお伝えしました。

肉ばなれもトリガーポイント注射で良くなる

2012.4.10 カテゴリー|トリガーポイント注射

肉ばなれは、たいていの人が一生に何回かは経験しますし、スポーツの際によく起こるけがです。肉ばなれがよく起こる筋肉は、ももの裏側の筋肉(ハムストリング)、大腿[だいたい]前面の筋肉(大腿四頭筋)とふくらはぎの筋肉(腓腹筋[ひふくきん])です。肉ばなれというのは収縮している筋肉が急に無理に引き伸ばされたときに起こり、筋肉の一部が痙攣または断裂してしまうものです。

肉ばなれでも軽いものは、筋肉の小範囲(幅約1cm)に圧痛(押すと痛む)がある程度で、歩くことはほとんど不自由のないこともあります。重いときは、激痛と肉ばなれの部分に明らかな腫れがあり、指で触ると筋肉の断裂している部分がへこんでいることがあります。

筋肉が断裂しているかどうかは超音波(エコー)検査で診断できます。しかし、スポーツで筋肉を損傷して「肉ばなれ疑い」で受診する患者さんの中で実際に筋肉が断裂していることは稀です。ほとんどの患者さんは筋肉の一部が痙攣しているだけです。なので、痙攣している筋肉にトリガーポイント注射を打つだけで、筋肉の痙攣が止まり今までの痛みが嘘のように治ってしまうこともあります。

筋肉が断裂している場合でも、トリガーポイント注射を打つことで断裂部位周辺の筋肉の痙攣が止まり、筋肉の血流量が増加して、筋肉が早く修復されます。

受傷してからなるべく早い時期にトリガーポイント注射を打つことが大切です。時間がたってしまうと、痙攣が慢性化してしまい治療が難しくなってしまうからです。肉ばなれ以外のどんな怪我でも痛みを慢性化させないためには、痛みはなるべく早く取り除くことが重要です。怪我をして痛みが出たら我慢せず、なるべく早めに受診してください。 

手の痺れは首が原因?

2012.4.05 カテゴリー|その他の治療について

 50代の男性、10年くらい前から両手の痺れがあり、5年ほど前に某総合病院で首の手術を受けました。手術後、両手の痺れは若干改善しましたが、1年ほどで元に戻りました。

 主治医はMRIの画像を見ながら、「神経の圧迫はきれいに取り除かれている。後は自然と回復するのを待つしかない。」と説明し、ビタミン剤や抗うつ薬を処方しました。しかし、薬を飲んでも症状は悪化するばかりで、患者さんは途方に暮れていました。

 昨年、知人に勧められて当院を受診しました。診察したところ、両手の親指から薬指にしびれがあり、理学所見からも典型的な手根管症候群でした。

 手根管症候群とは、手を使いすぎることにより、手首のところで腱が炎症を起こし腫れることで、同じ場所にある正中神経が圧迫され、しびれや麻痺が出る病気です。

 患者さんの手首に腱の炎症を鎮めるステロイドの注射を行ったところ、翌日には10年間悩んでいた痺れがほとんど消えました。

 「手の痺れは首が原因」と思い込んでいる人が、(医師も含めて)たくさんいるようですが、首が原因で手がしびれることはほとんどありません。

 頸椎が変形して首の神経(脊髄)を圧迫する病気を頸椎症性脊髄症といいます。この病気では多くの場合、手の痺れだけではなく、指がうまく動かせない(巧緻障害)、脚が突っ張ってうまく歩けない(痙性歩行)が伴います。腕や脚の深部反射がかならず亢進します。手術をして、脊髄に対する圧迫を取り除かなければ、絶対に治りません。

 しかし、実際には頸椎症性脊髄症の患者さんはめったにいません。多くの患者さんが、巧緻障害や深部反射亢進などの症状がないにもかかわらず、MRIなどで脊髄への圧迫が認められるだけで、頸椎症性脊髄症と誤診されているのではないかと思われます。

 手の痺れの原因の多くは、手根管症候群や肘部管症候群などの末梢神経障害です。首や肩の筋筋膜性疼痛症候群が原因の場合も多いです。その他、糖尿病性神経障害で痺れることもあります。しかし、首(頸椎)の変形で手がしびれることはめったにありません。頸椎が原因かどうかは反射が亢進しているかどうかですぐにわかります。

 とにかく、手の痺れの原因は首からくることはほとんどない。」ということだけ覚えておいてください。
 

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