2012.11.05 カテゴリー|湿潤療法
76歳男性
狭心症があり、ワーファリン、ニトロールなど薬を8種類内服中
飼い犬に右手をかまれて受傷しました。
手の甲の皮膚が、逆フラップ状にはがれていました。
壊死する可能性が高いことを説明し、創内にドレーンを入れて、テープで皮膚を固定し、湿潤療法を行いました。
1週間後 、予想通り皮膚の一部が壊死しました。(創の中央の黒い部分が壊死組織です。)
壊死組織は無理にはがさず、そのまま湿潤療法(プラスモイストトップ+ガーゼ)を続けて自然と溶けるのを待ちました。
2週間後、壊死組織はきれいに溶けてなくなりました。
この患者さんはワーファリンを飲んでいるので、壊死組織を無理にはがした場合、出血して止まらなくなった可能性があります。
そのまま湿潤療法(プラスモイストV)を続けて、5週間後には皮膚がほぼ再生されました。
犬などの動物に咬まれた創は、そのまま縫合してしまうと、かなり高い確率で感染を起こします。
無理に縫合しなくても湿潤療法を行えば、キズはきれいに治ります。