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THA後の大腿外側部痛にトリガーポイント注射が効果的だった一例

2013.4.03 カテゴリー|トリガーポイント注射

71歳女性

 

1年前に某病院で、右THA(人工股関節全置換術)を受けました。術後経過良好でしたが、手術後10か月くらいから、右大腿外側部に痛みが出現しました。手術をした病院では、レントゲン上は異状がないから様子を見るように言われました。

 

痛みがとれないため、当院を受診しました。触診の結果、上図の部位にトリガーポイントを認めたので、週1回ずつトリガーポイント注射をしました。

 

5回ほど注射した結果、痛みはほとんど無くなりました。

 

THA後の大腿外側部痛は、THAの手術を受けた人の約30%に発生し、ほとんどの場合2年くらいで自然に消失します。痛みのはっきりした原因は不明で、活動性が高い人に発生しやすい傾向があります。

 

僕は、この痛みは、外側広筋に発生したトリガーポイントが原因だと考えています。THAを受けるような患者さんは、手術前は痛みのため歩行が困難なため、股関節周囲の筋力が低下しています。手術を受けて痛みがとれ、急に活動的に歩き始めると、弱っていた筋肉に負担がかかりトリガーポイントが出来てしまうのでしょう。そして、筋肉がついてくると自然と負担が減って、痛みが消失するのではないでしょうか。

 

トリガーポイント注射をすることで、自然経過より早く痛みをとることができると思います。

 

(人工関節のゆるみが原因で、大腿外側部痛が出る場合もあります。その場合は再手術しなければ治りません。)

 

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