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赤ちゃんの顔のヤケド

2014.1.21 カテゴリー|湿潤療法

1歳2か月の女の子

食事中にあんかけを顔面にかけてしまいヤケドしました。すぐに県立こども病院の救急外来を受診して、プロペトと抗生剤の内服薬を処方されました。翌日近所の皮膚科を受診したところ、マキロンと抗生剤軟膏が処方され、毎日マキロンで顔のヤケドを消毒してから軟膏を塗るように指導されました。マキロンで消毒するときに、赤ちゃんがあまりに痛がるので心配になり、ネットで調べて当院を受診しました。

初診時の顔の写真です。かわいそうに顔全体にヤケドがあります。

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瘡蓋ができている両頬の下の部分だけハイドロコロイドで覆って、後の部分は頻回にプロペトを塗るように指導しました。もちろんマキロン消毒は絶対にやらないようにと付け加えました。

6日後の状態です。きれいに治りました。

10109b.jpg

マキロンを傷を消毒するとものすごく痛いです。マキロンの主成分過酸化水素水は組織障害性がものすごく強い化学物質です。マキロンを塗った時の痛みは、過酸化水素水が皮膚の細胞を焼き殺していることによる痛みです。つまり、マキロンで消毒するとキズはより深くなります。女の子の顔に塗るようなものでは決してありません。もし、間違って目に入ってしまったら目の角膜を傷つけてしまいます。失明するようなことはないと思いますが、目に障害が残ってしまう可能性もゼロではありません。顔のヤケドにマキロンを塗られていた時のこの子の痛みを想像すると、かわいそうで涙が出てきてしまいます。

 

ちなみに、県立こども病院の救急外来では、以前から湿潤療法がおこなわれているようです。しかし、こども病院でヤケドの患者さんのフォローは出来ないので、近くの皮膚科を受診するように勧められるようです。この時に、湿潤療法をやっている医療機関を紹介してくれれば一番いいのですが、県立病院という立場だとちょっと難しいのかもしれませんね。

 

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