2014.6.20 カテゴリー|湿潤療法
30代の妊婦さん
料理中に包丁で切って受傷しました。近くの病院で、消毒と軟膏とガーゼによる治療を受けましたが、夜眠れないほど痛みがひどいため、2日後に当院を受診しました。
初診時の画像
指先が切れに切断されています。ガーゼで治療されていたため、キズが乾燥していました。傷に痛みの原因はこの乾燥です。
乾燥を治すために、ハイドロコロイドで被覆しました。その瞬間から痛みは軽減しました。
4日後キズに潤いが戻ったので、プラスモイストを1日1回自宅で交換してもらうことにしました。
2週間後の画像
キズは新しい皮膚が完全に覆われました。しかし、まだ先端を触ると痛いということなので、ハイドロコロイドによる被覆だけ続けてもらうことにしました。
4週間後の画像
ほぼ元通りの丸みを帯びた指先になりました。
指先は、人間の体で最も神経が集中しているところの一つなので、痛みも非常に強く感じます。消毒や乾燥による組織障害による痛みが、眠れないほど強く感じるのです。
また、指先切断はけっこう出血するので、止血のために、麻酔をしてキズを無理やり縫ってしまう医師がたまにいますが、この方法は絶対にダメです。なぜなら、麻酔が覚めた後、死ぬほど痛くなるからです。