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2023.04.15 カテゴリー|湿潤療法
1歳2ヶ月の県外在住の男の子
ストーブを触ってしまってヤケドしました。
近所の皮膚科で治療を受けましたが、よくならないため某大学病院に紹介されました。
その某大学病院で植皮手術が必要だと説明され、ネットでググって受傷後16日目に当院を受診しました。
初診時の画像です。手のひらと人差し指に3度の熱傷を認めました。
深いヤケドだけど植皮しなくても治ること、皮線にかかる深いヤケドなので瘢痕拘縮が起きて親指の動きが悪くなり将来的に手術が必要になるかもしれないこと、その場合は信頼できる医師に紹介することを説明しました。
私は、赤ちゃんの手のヤケドはズイコウパッドでおくるみをして治療しています。
下の写真のようにズイコウパッドでゆるめに手のひらを包みます。
ゆるめに包む理由はおくるみの中で指を自由に動かしてもらうためです。
指を自由に動かすことで瘢痕拘縮を予防できます。
ズイコウパッドでおくるみをしたら、ベネルーク(粘着性ガーゼ包帯)で補強して、その上にアンパンマンの似顔絵を描いてあげます。
アンパンマンを描いて上げると、子供も喜びますが、お母さんも喜んでそして安心してくれます。
ちなみに赤ちゃんから見てアンパンマンが正面に見えるように、こちらから逆さまに描いています。
今のところ逆さまにかけるのはアンパンマンだけです。そのうちドキンちゃんやバイキンマンもかけるようになりたいです。
翌日、創の状態と赤ちゃんと両親の精神状態を観察して、処置を自宅でやってもらっても大丈夫だと判断したので、やり方を教えて材料を渡して自宅で処置してもらい5日に1回くらい通院してもらいました。
治療を開始して2週間でほぼ上皮化しました。
下の写真は受傷3ヶ月後です。
瘢痕拘縮もなくきれいに上皮化しました。
もうどこがヤケドしていたかわからないくらいです。
うまく治ってよかったです。
2023.03.31 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
40代の男性
子供とドッジボールをしていて、ボールが指に当たり受傷しました。
翌日、当院を受診しました。
レントゲン写真で槌指変形(骨性マレットフィンガー)を認めました。
末節骨の基部が折れていることがわかると思います。
このタイプの骨折の場合、骨片が伸筋腱の力でどんどんズレてしまい骨癒合が得られないため手術が必要と言われています。
私も昔は手術をしていました。
http://www.nishibori-seikei.com/blog/2012/09/post-74.html
最近はよほど転位がひどい場合を除いて保存的に治療しています。
プライトンで下の写真のように外固定します。
外固定開始1週間後レントゲンです。
骨片同士が接触していて、関節面の段差もほとんどないため、このまま保存的に治療することにしました。
5週間外固定をして、外固定を外してから2週間後のレントゲンです。
骨癒合が得られました。関節面の段差もほとんどありません。痛みも残りませんでした。
今でも多くの整形外科医が、指の骨折に対してアルフェンスシーネという、手で簡単に曲げられるアルミの板にスポンジがついたシーネ材を使用しています。
アルフェンスシーネは、簡単に曲げたり伸ばしたり出来るので。誰でも外固定ができるという長所がありますが、緩みやすく固定性が弱いという短所があります。あとがさばるので邪魔になります。見た目も格好悪いです。
一方、プライトンは、熱湯で温めて柔らかくしてお湯を拭き取ってから素早く適切な形に加工しなければいけないという短所がありますが、固定性が強く、がさばらず、見た目もかっこいいという長所があります。
アルフェンスシーネでは、固定性が弱く槌指変形(骨性マレットフィンガー)を保存的に治療することが困難でしたが、プライトンなら可能です。
プライトンのような、すごく使いやすくて固定性もよくて軽くて邪魔にならない熱可塑性キャスト材があるのに、指の骨折に対して、いまだにアルフェンスシーネを使っている整形外科医がたくさんいて驚くよ。
2023.03.31 カテゴリー|その他の治療について, ビオチン療法, 湿潤療法
日曜日にやっている皮膚科をググって当院を受診する患者さんがいますが、私は皮膚科に関しては専門ではないし、液体窒素もないし、レザー治療機もないので、たいしたことが出来ません。
正直、ビオチン療法をやるためだけに皮膚科を標榜してます。ちなみに形成外科は湿潤療法をやるためです。
日曜日の外来は駐車場も待合室の椅子もなくなるほどの激混みなので、1時間以上待った患者さんに「それうちでは診れないから、皮膚科専門の先生に診てもらった方がいいよ。」と説明することは、本当に申し訳ないです。
笠間市笠間に太田皮膚科という皮膚科専門のクリニックがあり、日曜日も9:30~12:00まで診療してます。
普通の皮膚疾患、湿疹や水虫や疣などは、私なんかより太田先生に診てもらった方が絶対にいいです。
スリキズ、キリキズ、ヤケドなどで湿潤療法を希望する患者さんや、掌蹠膿疱症でビオチン療法を希望する患者さんは当院を受診してください。
2023.03.28 カテゴリー|その他
うちの患者さんはいい人ばかりです。
開業以来、親切な患者さんにはより親切に、そうでない方にはそれなりに対応してきた成果です。
親切な人はより親切な人を紹介してくれます。
そうでない人に親切にすると、もっとひどい人を連れてきて客層が悪くなります。
これから開業する先生、ここ意外と大事なポイントですよ。
まあでも、そうでない人からGoogleレビューに悪口書かれまくるけどね。
普通の商売だったら、サービスをグレードアップして価格を上げることで客層をよくすることが出来ます。
名門ゴルフ場のお客さんと低価格帯のゴルフ場のお客さんではマナーが全然違うでしょ。
有料のキャンプ場でバーベキューしている人たちと、無料の海岸や河原でバーベキューしている人たちではマナーが全然違うでしょ。
でも、保健医療をやっている医療機関は、勝手に値段を上げることが出来ません。
治療の値段はすべて国が決めてしまうからです。
たとえば、トリガーポイント注射は私のようなベテランがやっても、整形外科医でもない新人がやっても同じ80点(800円)です。
あと、医師法に応酬義務という規則があって、「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定められています。
つまり、医師には患者を選ぶ権利がないということです。マナーが悪いからといって患者を断れないのです。
だから、親切な患者さんにはより親切に、そうでない方にはそれなりに対応しなければいけないのです。
そうやって、マナーの悪い患者から選ばれないようにする必要があるのです。
きれい事を言えば、誰にでも平等に親切にするべきなのでしょう。
しかし、サービスを提供する側がそれをやると、図々しい人や自己主張が強い人が得をして、奥ゆかしい人や自己主張が弱い人が損をすることになります。
それって結局は不平等ですよね。
だから、親切な患者さんにはより親切に、そうでない方にはそれなりに対応しなければいけないのです。
それこそが患者さんに対して平等に接することになると、私なんかはそう思います。
2023.03.14 カテゴリー|湿潤療法
60代の女性
草刈りをしていてカマで左小指を切りました。キズパワーパッドを3日間貼っていたら、小指がすごく腫れて痛くなったので、当院を受診しました。
キズパワーパッドを剥がすと、創の周りの皮膚や皮下組織が壊死して、創の中から悪臭を伴う膿が出てきました。創部の嫌気性菌感染と診断し、通気性のよい被覆剤(プラスモイストDC)で傷を覆って、抗生剤(オーグメンチン配合錠)を処方しました。翌日には痛みも腫れもかなり改善しました。
嫌気性菌とは酸素がない環境で増殖する細菌です。ガス壊疽菌や破傷風菌など致死性の高い細菌が多く含まれます。
湿潤療法のエキスパートである私から言わせると、一般の方がキズパワーパッドを使うのはきれいなすり傷か浅いやけどだけにして欲しいです。
切り傷に使うと剥がすときに創が開きます。創が開くので剥がすときに激痛を伴います。
土などで汚染された創に使うと創を密封してしまうため嫌気性菌感染をおこします。
切り傷は普通の絆創膏を貼ってください。
汚染された創は水道水でよく洗ってなるべく早く湿潤療法をやっているクリニックを受診してください。
きれいなすり傷や浅いやけどにキズパワーパッドを使用する際も、貼りっぱなしにしないで毎日入浴時に外して、お風呂のお湯で創を洗ってティッシュなどで水分をふいてから貼り直してください。
キズパワーパッドについてくる説明書を真に受けないでください。たぶんですが、湿潤療法をやったことがない偉い先生が監修したんだと思います。
私が添削しました。こちらを参照にしてください。
2023.02.21 カテゴリー|新型コロナ
Twitterでひろった文章です。日本人のコロナ感がよく表現されていると思います。
日本人はコロナを「ケガレ」、コロナ感染を「タタリ」、マスクを「護符」だと無意識に捉えていて、マスクルールを徹底する自集団を「結界」だと感じている。なので、結界に穴を開けうるノーマスク人(びと)を異常に恐れる。信仰の話なので科学的根拠なんてどうでもいい。他人の口から呪いが漏れている、と霊媒師(いわゆる専門家)がいうのであればそれを信じるだけである。見えないんだから。
というわけで、NOマスクNOワクチンNO自粛の私は特級呪霊です。両面宿禰です。怖いよ。
コロナ当初の医療関係者差別や東京差別も感染者特定という魔女狩りも、現在のマスク信仰もすべてこの仮説で説明できますね。
この3年間、なんでそんな非科学的なことしているのかと疑問に思うことがたくさんありましたが、最初から科学でなくて呪術や宗教だったのなら私に理解できないのも仕方がないことでした。
2023.02.21 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
2月20日に鎖骨遠位端骨折の保存療法について当院の問い合わせフォームからメールを送っていただいた方への返信です。
返信を書きましたが、なぜかうまく届かなかったようなので、ここに書かせていただきます。
お問い合わせありがとうございます。
私と同じ方法で鎖骨遠位端骨折の治療をしている整形外科医は首都圏にはいないと思います。
もし可能ならこのアドレス question@nishibori-seikei.com に画像を添付しておくってください。
にしぼり整形外科 西堀靖広
2023.02.16 カテゴリー|その他, トリガーポイント注射, 新型コロナ
60代の男性
腰痛と下肢痛があり他院でMRIを撮りヘルニアと言われ、リリカ、セレコックス、トラムセットが処方されました。痛みはよくなりましたが、薬をたくさん飲んでいることや今後の経過に不安があるため知人の紹介で当院を受診しました。
ヘルニアは痛みと関係ないこと、痛みが取れているなら現在の主治医も薬を減らしてくれるだろうこと、もし痛みがぶり返したらトリガーポイント注射で治療可能なことなどを説明しました。
注射もせず、薬も出さず、話を聞いて私の考えを伝えただけでした。
このようなケースでは「にしぼり整形外科に行ったけど何もしてくれなかった。」と他所で文句を言う人もいるので心配でしたが、全く逆にお礼のメールを頂きました。
素敵なお礼のメールだったので、ここで紹介させていただきます。
昨日そちらでお世話になったHさんと伺ったSと申します。
Hさんの近所に住んでいます。
今回昨日のお礼を伝えたくて、メールしました。
お時間ある時にでも読んで頂けたら嬉しいです。
こちらの病院は先生のブログで知りました。
いつか伺えたらと思ってまして、長年腰痛持ちの夫や、Hさん夫婦にももちろんブログやこちらの病院のこと、話していました。
今回Hさんがひどく弱ってしまったため、もうここまで来たらきちんと診てもらった方がいいと思うと話し、実は当日の診察予定をキャンセルしてもらって、一緒に伺うことができました。
私は先生のお顔はちらっと拝見して、きちんと患者さんたちと向き合ってらっしゃるんだなと感じました。
そして何より嬉しかったのは、受け付けの皆さんの笑顔でした。
私はすっかりこの光景を忘れていたんだなと、改めて思いました。病院に入る前に、外から皆さんの笑顔に気が付き、ああ、きっと大丈夫、って思いました。
Hさんもとてもほっとしたようで、帰りの車中はとても穏やかで、朝の様子とはぜんぜん違っていました。
帰って夫に話すと、「もうHさん、半分治ったよね」と。私もそう思いました。
先生、そして病院で働いてらっしゃる皆さま、昨日はありがとうございました。Hさんはもちろん先生に、私は皆さんの笑顔にたくさんの元気を頂きました。
皆さんがそちらで明るい笑顔でいらっしゃると知れて、もちろん腰が痛くなったり、しんどくなった時は見て頂けるところがあるんだ、と分かって、とても嬉しいです。
夫も痛みがひどくなった時、お願いしようと話しています。その時はどうぞよろしくお願い致します。
たくさんのお礼を込めまして、またこのメールに目を通して下さいまして、ありがとうございます。
今日も皆さまが穏やかにお仕事できますように願っています。ありがとうございました。
ノーマスクの笑顔が当院の自慢です。
患者さんには笑顔で接する。コロナ前では当たり前のことでした。
コロナ前はマスクをして接客すること自体が失礼に当たることでした。
なんかみんな忘れちゃったんだよね。
ニワトリじゃないんだから思いだして欲しいよ。
2023.02.07 カテゴリー|トリガーポイント注射
たまたま見ていたNHKの健康番組でどっかの大学の教授が「ぎっくり腰は筋肉の炎症だから冷やした方がいい」と頓珍漢なことを断言していました。
筋肉の炎症って何?膠原病の皮膚筋炎みたいなやつ?
違いますよ。ぎっくり腰は腰やお尻の筋肉(大腰筋や中殿筋)に出来たトリガーポイントが原因です。
トリガーポイントは筋肉の痙攣が原因できます。
筋肉の痙攣なので温めた方が早く治ります。
温めのお風呂にゆっくりつかるのがおすすめです。ホッカイロで温めてもいいです。ホットカーペットの温度をマックスまで上げてその上に仰向けに寝るのもけっこう効きます。
まあでも、トリガーポイント注射しちゃったほうが全然早く治るけどね。
俺は自分自身で10回以上ぎっくり腰をしてるからね。ぎっくり腰には相当詳しいよ。
多いときには1日10人以上のぎっくり腰の患者さんを治療してるしね。
大学の教授なんてギックリ腰の治療なんかしたことほとんどないでしょ。
治療の素人が、教科書の古い知識でテレビで断言するなんて、自分で恥ずかしくないのかね。
コロナに関しても、普段風邪の患者なんか全然診てない大学の偉い先生が、テレビで頓珍漢なことずーっと言ってた。
だから世界中で1年以上前に終わったコロナパニックが日本だけまだ続いているだよ。
コロナの専門家としてテレビに出てた人の話なんて99%間違ってたもんね。
よくいまだにテレビに出られるよ。面の厚さが半端ねえよ。
私はギックリ腰の治療にはかなり自信がありますけどね。
テレビには出ないよ。マスコミが嫌いだからね。
2023.01.23 カテゴリー|新型コロナ
湿潤療法の開発者である夏井睦先生がコロナ騒動についてめちゃくちゃわかりやすくまとめてくれたので紹介いたします。
http://www.wound-treatment.jp/#0122-2-3
① 2019年末の中国では肥満などの合併症に加え、「隣のビルも霞んで見える」ほどの大気汚染が加わって、バタバタと死んでいった。このため、感染症の専門家は「死亡率の高い恐怖の感染症」と考えた。
② 日本を含め、東南アジア諸国ではコロナは風土病だったため、自然免疫などにより感染者は欧米より少なかった。
③ 一方、コロナが風土病でない欧米では「未知の感染症」であり、感染者が急増した。肥満などの合併症での死亡例も多かった。
④ このような欧米の状況を受けて、「2類相当感染症」に指定された。それを根拠に(?)、日本では緊急事態宣言が出されたが、2020年4月の感染状況は今から見るとそれは「緊急事態」ではなく、せいぜいさざなみ程度の小流行に過ぎなかった。
⑤ その後、コロナウイルスは変異を重ねて「感染力は高いが毒性は低い」ものに変化。変異株が出現するたびに感染者は世界中で増加したが、「死ぬのは持病持ちの高齢者」が中心となり、死亡率は減少していった。
⑥ それを受けて、2022年後半、欧米では「コロナは風土病」と見方を変え、特別な感染対策は取らなくなった。
⑦ 一方、日本の感染症専門家は「また強毒化するかもしれない」の一点張りで5類への見直しに頑強に抵抗。
これがほぼ正解だと思います。
世界中で日本だけいまだにコロナ騒動が終わらない理由は、上記⑦に加えて、総理大臣に決断力がないこと、莫大なコロナ利権を作ってしまったため医師会や専門家たちが反対していること、全体主義に親和性が高い国民性であること、国民が全体主義に染まりやすいように教育されていることなどが上げられると思います。
「コロナは風土病」てのは「コロナはただの風邪」てことですからね。ただの風邪に国中でビビり倒して、入学式も卒業式も成人式もマスクしたままやってるなんて、海外から見たら滑稽でしかないよ。みっともねえよ。