2025.08.28 カテゴリー|その他の治療について, 医療に関する迷信
本人が顔を出さなくても家族が保険証を出すだけで薬を処方する内科クリニックがあるけど、完全に法律違反だよ。
医師法第20条に医師は自ら診察しないで治療したり、処方箋を交付したりしてはならないと明確に定められています。
そういう違法クリニックをきちんと取り締まって、リフィル処方に移行させるだけで、医療費をずいぶん減らせると思うよ。
リフィル処方箋とは、慢性疾患などで症状が安定している患者が、医療機関への通院回数を減らすために、医師の判断のもとで、最大3回まで同じ処方箋を繰り返し使える制度です。
診察してないのに再診料とって、場合によってはナントカ管理加算料とかまでとったりして、完全に詐欺なんだけど、堂々と行われてるんだよね。
患者は楽。医者は儲かる。でウインウインだから誰も文句を言わないんだよね。
損しているのは健康なのにバカ高い健康保険料を払わされている現役世代だけです。
しかもさ、こういう診察しないで薬だけ出してくれるクリニックはさ、医師を通さず、受付の判断だけで処方箋を出したりしてるのよ。
だから必要ない薬や副作用が出ている薬が永遠に出続けたりするわけよ。
リフィル処方なら薬剤師が毎回診察してくれるから、患者さんとしてもずっと安心だよ。
マイナ保険証で毎回本人確認すれば、これらの違法行為がある程度防げると思うでしょ。
ところがね、ひどいところはマイナンバーカードと暗証番号だけで受付して薬を出しちゃうのよ。
もうね、どのくらいの法律に違反しているかわからないくらいなんだけど、割と堂々とやってるんだよね。
世の中、医者に甘すぎるんだよ。
俺は適当に生きてるけど、法律違反はやらない主義だから、薬だけほしい患者さんも毎回診察室で視診と問診をします。
いちいち診察なんかめんどくさいとか文句を言う患者さんは、どうぞ診察なしで薬を出してくれる違法クリニックに行ってください。
2025.07.11 カテゴリー|その他の治療について
参政公約「終末期延命措置は全額自己負担」 神谷氏「啓発する思い」
https://news.yahoo.co.jp/articles/07f8d636937c6f5100a999831f2981f768f91615
参政党の神谷代表が「終末期延命措置は全額自己負担」と公約を掲げて批判を浴びています。
私は神谷代表を生理的に受け付けないので参政党支持者ではありませんが、「終末期延命措置は全額自己負担」には賛成です。
なぜなら患者本人にとっては終末期の延命治療は終わりのない拷問だからです。
終末期の延命治療の代表例として胃瘻が上げられます。
胃瘻とは、お腹に小さな穴を開け、そこから胃の中にチューブを通して栄養を注入する医療処置のことです。主に、口から十分な栄養を摂取することが難しい患者さんに対して行われます。
この胃ろう、患者さんご本人目線で言うと、目覚めたらお腹に管が入ってる。その管が邪魔だから引っ張る。看護師に縛られる。ずっと縛られる。なんでかな。誰に言っても助けれくれない。ずっと縛られる。助けて。助けて。頭痒い、かけない。助けて。という状態になります。
これって拷問じゃありませんか?
30年くらい前の話です。
私の97歳の祖母が食事をとれなくなったときに、主治医は胃瘻を強くすすめてきました。
私が大反対したので、伯父叔母たちも「医者の靖広が反対するならやめっぺ」と納得して胃瘻を断りました。
その3日後に、祖母は穏やかに亡くなりました。
今でも、あの時の判断は正しかったと確信を持って思っているし、自分の親にも無意味な延命治療は絶対に受けさせないし、自分自身もまっぴら御免です。
「自分がやられてイヤなことは、人にもやらない。」
基本中の基本ですよね。
ドラマみたいにさ、死ぬ間際まで感謝の言葉を述べて家族に見送られて安らかに死にたいと思いませんか。
延命治療を受けたら無理ですよ。
自分の死に方は自分で決めておいて家族に伝えた方がいいよ。
でないと「終末期医療を受けている90歳の高齢者も、子供も命の価値は同じ」と勘違いしている人に延命治療を強制されて、終わりのない拷問を受けることになりますよ。
2025.07.04 カテゴリー|その他の治療について
うちのばあちゃん(母親)が、内科から出てた血圧とコレステロールの薬を止めたら元気になりました。
元々、元気だっただけど、もっと元気になりました
脚がふらつくとか、脚に力が入らないとか、訴えて当院を受診する高齢者のほとんどが、内科から大量の薬を処方されています。
「薬の副作用だと思うよ。内科の先生に相談して減らしてもらったら。」と説明しますが、ピンとこないみたいです。
まあ仕方ないんだよね。
だいたいの医者は「薬を止めて何かあったら、どうするんだ!」とか言いますからね。
薬を飲んでるせいで、すでに何か起きてるんですけどね。
そこは華麗にスルーしちゃうんですよね。
コロナワクチンに関しても同じことですね。
整形外科関連でも、他院から腰痛に対して、ロキソニン、ミオナール、トラムセット、リリカ、オパルモン、メチコバール、サインバルタと出ていた患者さんがいました。
トリガーポイント注射しながら減薬していきました。
整形外科の患者なら、私が減薬できるんですけど、内科の患者の薬は手が出せないです。
減薬専門の内科医が近くにいてくれるといいのだけれど、滅多にいませんからね。
2025.06.05 カテゴリー|その他の治療について
最近の整形外科医はレントゲンやMRIなどの画像診断に頼っていて、触診や視診をやらない傾向があります。
近頃のはやりのオンライン診療なんて、画面越しに話を聞くだけで診断して薬を出しちゃうみたいです。
私は前から「それって医者としてどうなの?」と思っていました。
ちょっと前の話です。
10歳くらいの男の子が、1週間くらい前に転んでから左股関節が痛いと、日曜日に当院を受診しました。
触診をしたら陰嚢周辺に圧痛を認めたので、「鼠蹊ヘルニアとかかもしれないから」と説明して、すぐに総合病院の救急外来に紹介しました。
数日後に、患児のお母さんからお礼の電話がありました。
「総合病院の救急外来でも対応できないので、緊急でこども病院に搬送されました。検査の結果、精巣捻転症でした。もう少し遅かったら精巣を摘出する必要があったそうです。先生のおかげで一生のキズを負わずにすみました。本当にありがとうございました。」
精巣捻転とは、文字通り精巣(キンタマ)がねじれてしまうことです。精巣は、精管、精巣静脈、精巣動脈からなる精索という構造で体とつながっています。精巣がねじれることによって、この精索が締めあげられ、血流の停止がおこります。
25歳以下の若年男性に発症することが多く、突然の精巣痛で自覚します。精巣捻転が発症してしまうと、精巣の血流が遮断しているため一刻も早い治療を必要とします。
私の判断が、少し遅かったら男の子のキンタマがなくなるとこでした。
触診は本当に大事です。
触診、視診が診断学の基本の基です。
オンライン診療で何がわかるだよ。
触診も視診もしないで診断なんか、俺は怖くてできねえよ。
画像診断に頼りきってる整形外科医だったら、レントゲンだけ撮って、「なんでもないですね。様子をみましょう」て説明して、そのまま家に帰しちゃったんじゃないの?
それじゃ、キンタマ無くなっちゃうぜ。
医者なら、ちゃんと触診しようよ。
なんて偉そうに書きましたが、今回私が陰嚢の異常に気がついたのはたまたまです。
タマタマ。
タマタマ。
2025.05.20 カテゴリー|その他の治療について
先日来た患者さんのお話です。
30代の男性
階段から転落して後頭部を7㎝くらい切って、某救急外来を受診して研修医に、止血のために無麻酔で電気メスで創内部をジュージュー焼かれ、そのまま無麻酔でステープラで縫合を受けたそうです。
処置に2時間以上かかり、その間地獄のような痛みだったそうです。
1週間後、創から膿が出るし微熱が続いているので当院を受診しました。
ステープラは2㎜間隔で刺さっており抜鉤に時間がかかりました。
ステープラを外すと創がぱっくりと開き、中から膿と焦げた壊死組織が大量に出てきました。
局所麻酔をかけ、膿と壊死組織を除去しました。
壊死組織を除くとまた出血してきましたが、皮膚をナイロン糸でしっかりと真皮ごと縫合することで止血できました。
患者さんがなぜこんな目に遭ったかというと、「頭部裂創は無麻酔でステープラ縫合するものだ」という決めつけが研修医の頭にあったからです。
頭部の皮膚は血流がいいので頭部裂創はすごく出血します。
でも皮膚をきちんと縫えば出血は止まります。
局所麻酔をしないから痛みで血圧が上がり余計止血できなくなった。
あんなに深い創がステープラ縫合でくっつくわけない。
あんなに細かくステープラを刺したら血流が悪くなって余計くっつかなくなる。
研修医には経験も知識も無いから知らないのは仕方ないですが、そこは上級医がフォローしてあげないと患者さんがかわいそうです。
一番問題なのは、自分が縫った創のその後を研修医がみられないことです。
自分が縫った創がこんなことになっていたら、そうとうショックを受けて勉強し直すと思うのですが、縫いっぱなしじゃわからない。
こういうことがあるので、救急外来で皮膚縫合してもらったときは、念のため早めに外科や整形外科のクリニックを受診しましょう。
2025.03.04 カテゴリー|その他の治療について
まずこちらの内科医先生のツイートを読んでください。
Dr☕️🛀🫧 @Drfm11
関節リウマチは整形外科じゃなくて、膠原病内科医に診てもらった方が良いと個人的には思う。
関節リウマチは全身の疾患だから、整形外科というよりは内科だよ。
私もこの意見に賛成です。
私はリウマチの患者さんを見つけたら、膠原病内科の先生にすぐ紹介します。
関節リウマチは整形外科医が片手間に治療できるほど、簡単な病気じゃないです。
30年前までは、リウマチは治せない病気だったし、ステロイドを使うか、あまり効かないけど副作用もあまりない抗リウマチ薬を飲ませるくらいしか出来なかったから、整形外科医でもなんとか治療できてました。
しかし、20年前に生物学製剤が出現してから、リウマチは治せる病気になりました。
生物学製剤は効果が高い(値段もすごく高い)反面、副作用も強く、肺や腎臓や肝臓の評価も出来る内科医でないと扱うのが難しい薬です。
膠原病内科医と同じくらい、リウマチや生物学製剤や内科疾患について勉強してる整形外科医なら扱ってもよいと思いますが、私には無理です。
というか、体育会系が多い整形外科医が、優等生が多い膠原病内科医と同じくらいの勉強ができるわけないです。
私のリウマチの患者さんとの関わり方としては、薬物療法は膠原病内科医にまかせて、痛みのコントロールのために関節内ブロックやトリガーポイント注射をしてあげること、症状によって人工関節置換術を奨めてあげることかなと思っています。
2024.11.21 カテゴリー|その他の治療について, 医療に関する迷信
先週見たNHKのクローズアップ現代が衝撃の内容でした。
患者は避けられないのか 医療事故“リピーター医師”の衝撃
https://www.nhk.or.jp/minplus/0121/topic139.html
たった8ヶ月で8件もの医療事故を起こした医師の衝撃のレポートです。
中でも、ドリルで馬尾神経を引っ張り出しってしまった術中の動画が悪夢のような衝撃でした。
あれ1回だけで、手術が怖くなって普通は外科医をやめます。
それを8件なんて、本当にヤバいです。
脊椎の手術に限らず、丁寧な止血による視野確保が外科手術の基本の中の基本です。
あんな血だらけで何も見えない状況で、硬膜の近くをドリルで削るなんて、目隠しして高速道路を運転するくらいの狂気の沙汰です。
執刀医だけでなく指導医も相当ヤバいです。
私も勤務医の頃は同様の手術を行っていましたが、必ずベテランの脊椎外科専門医についてもらっていました。
このリピーター医師は、以下の漫画のモデルです。
脳外科医竹田くん
https://dr-takeda.hatenablog.com/
竹田くんは下手くそなのに手術が大好きで、患者さんを次々と壊していきます。
フィクションじゃなくて事実を元にしているから恐ろしいのです。
クロ現や漫画で得られる教訓は、「むやみに手術を勧めてくる医者は信用するな。」です。
整形外科の場合、腰、首の手術は基本的にやらないほうがいいです。
(腫瘍、骨折、感染、脊髄症を除く)
人工膝関節全置換術と人工股関節全置換術は手術成績が良いので、おすすめです。
私自身は自分で手術をするわけじゃないから、「やりたいから」とか「儲かるから」という理由で手術を勧めたりしません。
2024.09.03 カテゴリー|その他の治療について
1%リドカインが入ってこねえよ。
腱鞘内注射、関節内注射、仙骨ブロックが出来ないよ。
医療崩壊だよ。
毒でしかないコロナワクチンの8回目なんかやらなくていいから、絶対に必要な薬剤の流通管理をちゃんとやってくれよ。
厚労省さんよ。
縫合や手術の時に使う1%キシロカインEも入ってこないんだよ。
戦国時代みたいに無麻酔で縫うしかないよ。
現代人には耐えられないよ。
医療崩壊だよ。
厚労省が、長年使用されていて安全性が確認されているいい薬の値段をどんどん下げて、ひとつも効かない危険な新薬の値段を高くしてるから、こんなことになるんだよ。
1%リドカインアンプル5mlの薬価は、それなしでは医療が成立しないくらい重要な薬なのに、たったの59円だよ。
新型コロナウイルス感染症治療薬のレムデシビルの薬価はひとつも効かないのに46,498円もするんだよ。
局所麻酔薬のような重要な薬は、採算とれるくらいまで値段を上げないとダメだよ。
厚労省の偉い人はそんな簡単なこともわからないんだよ。
ちなみにトリガーポイント注射用のネオビタカインはたくさんあるよ。
2024.03.04 カテゴリー|その他の治療について, 医療に関する迷信
ゴルフ仲間の話です。
数年前に甲状腺癌と診断され、5カ所の病院でセカンドオピニオンを受けましたが、どこの医師も検査データを見るだけで触診もしないで、PCの画面を見ながら目も合わせず「癌なので手術と放射線治療を受けたほうがいい」と言っただけだったそうです。
それで現代医療に見切りをつけて枇杷の葉療法を受けて癌は消失したそうです。
この話を聞いたときに私は医師としてどう答えるのが正解だったのでしょう。
ちなみに私の答えは「甲状腺癌は過剰診断されることが多いので、癌ではなくがんもどきだったのかもしれませんね。www」でした。
琵琶の葉療法がどのような治療でどのような効果があるかはよくわかりませんが、民間療法で治る癌は元々治療を受けなくても治る癌だったんじゃないのかな。近藤誠先生が著書「患者よ、癌と闘うな」で提唱しているがんもどきだったんじゃないかなと思います。
癌の話はあまり深掘りすると、癌治療の専門家から抗議が来て炎上するのでこのくらいでやめておきます。
今回の主題は、5カ所のセカンドオピニオン先で、誰も触診もしないで目も合わせなかった問題です。
私が医学生だったのは30年も前ですが、その頃の医学部の臨床実習のメインは診断学でした。問診、視診、触診、打診、聴診のやり方を覚えることでした。
私が医師になってから、MRIやヘリカルCT、内視鏡、血液検査など診断の補助になる技術がどんどん進化していきました。それでも診断のメインは問診、視診、触診、打診、聴診だと思っています。
問診、視診、触診もしないで検査データだけで診断するなら医師が人間である必要はなくAIの方が優秀だと思います。
2024.01.19 カテゴリー|その他の治療について
整形外科では割とよく診る疾患に石灰性腱板炎があります。肩関節にある腱板という平べったい腱に石灰(カルシウム)が沈着して、その石灰が炎症を起こして激痛で肩が動かせなくなる病気です。
患者さんがたくさんいるのに、未だに腱板に石灰が沈着する原因がわかっていません。
医学なんてその程度です。
炎症が起きているので、石灰沈着部にステロイドの注射をすると、劇的によくなることがあります。
テレビレントゲンを診ながら沈着した石灰を吸引する治療法もありますが、患者さんがすごく痛がる割に元の痛みはあまりとれないので、私はやりません。
たまった石灰は何もしなくてもそのうち自然と消えます。
ちなみに私は、石灰がたまる原因を聞かれたときにこう答えます。
「原因はわかっていません。しいて上げれば運が悪い。よく当たる占い師を紹介しましょうか?www」
もちろん相手を見て言いますよ。
これで怒りそうな人には「原因はわかりません。医学なんてその程度です。」と答えます。