2012.7.31 カテゴリー|湿潤療法
30代の男性
2か月前から左下腿に痒みが出現し、徐々に全身に痒みが広がっていきました。近所の皮膚科を受診して、「アトピー性皮膚炎」と診断され、治療を受けていましたが、症状が改善しないため、当院を受診しました。
上の写真は、初診時の左下腿の状態です。痂疲を伴う大きな湿疹が左下腿に拡がっています。一見して「トビヒ(伝染性膿痂疹)」によく似ていました。また、全身に痒みを伴う小丘疹が散在していました。
左下腿の湿疹は「膿痂疹」と診断し抗生剤の内服を開始し、痂疲をきれいに除去して、プラスモイストを貼りました。全身の小丘疹は左下腿の膿痂疹が原因の「自家感作性皮膚炎」と診断し、痒みに対しステロイドの外用と抗ヒスタミン薬の内服を開始しました。しかし、自家感作性皮膚炎は、その原因になっている左下腿の湿疹が治れば、自然と良くなるので、まず、左下腿の湿疹の治療に集中しました。
2日後の左下腿の状態です。痂疲はきれいになくなり、湿疹も大部分が上皮化し治っています。しかし、この時点では自家感作性皮膚炎は良くなっていませんでした。
膿痂疹は改善したが、湿疹が残っていると診断し、抗生剤の内服を止め、左下腿の湿疹に対してトレニゾンテープの外用を開始しました。
1週間後には左下腿の湿疹はかなり改善し、その結果、自家感作性皮膚炎もよくなり、全身のかゆみもかなり改善しました。
さらに1週間後の写真です。左下腿の湿疹はほぼ治っています。全身のかゆみもほとんどなくなりました。
自家感作性皮膚炎とはhttp://health.goo.ne.jp/medical/search/10O10700.html/