2012.2.29 カテゴリー|トリガーポイント注射
50代の男性の患者さんが受診してきました。数年前から、発作性に右後頸部の激しい痛みとめまいと吐気が出現するようになり、あちこちの病院でMRIや脳波などさまざま検査を受けましたが原因がわからず、途方に暮れていたそうです。
ある日、インターネットを見ていて、筋筋膜性疼痛症候群(以下MPS)という病気があることを知りました。
MPSとは、筋肉の繊維の一部が緊張してしこりとなり、そのしこりが原因で痛みやしびれなどの様々な症状が出る病気です。しこりの部分は圧痛を伴いトリガーポイントとよばれています。腰痛や肩こりの大部分はこのMPSが原因です。
診察したところ、右後頸部に圧痛のあるしこり(トリガーポイント)を認めました。この部位にトリガーポイントがあると、めまいや吐き気を起こすことがよくあります。
筋肉の緊張を緩めるため同部位にトリガーポイント注射を行い、抗癲癇薬のリボトリールを内服してもらうことにしました。
治療効果はてきめんでした。その日以来、発作は起こらなくなり、快適に過ごせるようになったそうです。
MPSはまだ医師の間でも認知度が非常に低い病気なので、病院で診察や検査を受けても原因不明と診断されてしまう方がたくさんいます。
私は筋骨格系の痛みのほとんどがこのMPSが原因で起こっていると思っています。
原因不明の痛みでお困りの方は是非当院で診察を受けてください。