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褥瘡に対するラップ療法

2012.3.07 カテゴリー|湿潤療法

当院のホームページhttps://nishibori-seikei.com/に次のようなお問い合わせがありました。
 


祖母の褥瘡で悩んでおります。

 

先生のところでは、褥瘡の治療は行っていらっしゃいますでしょうか。

 

例えば、イソジンゲル、ユーパスタ等の薬を処方して頂き、家でラップ療法を行うことはできるのでしょうか。

 

お忙しいところ申し訳ありませんが、お返事下さいますと幸いでございます。

 

どうぞ宜しくお願い致します。
 


それに対する私の返事

お問合せありがとうございます。

当院でも褥瘡の治療は行っています。

当院は湿潤療法(ラップ療法)を行っていますが、イソジンゲルやユーパスタなど傷を深くするだけで、感染予防効果がない有害な軟膏は使用してません。

何度か通ってもらい処置のやり方を覚えて頂き、褥瘡の状態が落ち着いたら、創傷治療用の材料(プラスモイストトップなど)を購入していただき、自宅で処置してもらいます。

褥瘡の状態にもよりますが、その後の通院は2週間に1度程度になると思います。

 



 その後、この患者さんは受診してません。
 現在やっているイソジンゲルやユーパスタによる治療を、私が否定したからかもしれません。

 

褥瘡に対するラップ療法と、キズやヤケドに対して行っている湿潤療法は基本的に同じものなので、ラップ療法でも褥瘡の消毒や、消毒薬を含んだ軟膏の塗布は行いません。

 イソジン等の消毒薬は、褥瘡の中の細菌の数を一時的に減らしますが、1時間もすると元に戻ってしまいます。いくら消毒しても、細菌感染を防ぐことはできません。

 消毒薬は、最近を減らす以上に褥瘡の中の正常な細胞を傷つけてしまいます。その結果、消毒をすると褥瘡はより深くなってしまいます。

 湿潤療法やラップ療法では、創を消毒しないことが大原則です。イソジンゲルやユーパスタなど、創の中の細胞を著しく傷害する軟膏を使うことは決してありません。

 褥瘡は、ウェットティッシュなどできれいに拭いてもらい、乾かないようにラップやプラスモイストなどの創傷被覆材で覆うだけで、よくなっていきます。 

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