2012.4.10 カテゴリー|トリガーポイント注射
肉ばなれは、たいていの人が一生に何回かは経験しますし、スポーツの際によく起こるけがです。肉ばなれがよく起こる筋肉は、ももの裏側の筋肉(ハムストリング)、大腿[だいたい]前面の筋肉(大腿四頭筋)とふくらはぎの筋肉(腓腹筋[ひふくきん])です。肉ばなれというのは収縮している筋肉が急に無理に引き伸ばされたときに起こり、筋肉の一部が痙攣または断裂してしまうものです。
肉ばなれでも軽いものは、筋肉の小範囲(幅約1cm)に圧痛(押すと痛む)がある程度で、歩くことはほとんど不自由のないこともあります。重いときは、激痛と肉ばなれの部分に明らかな腫れがあり、指で触ると筋肉の断裂している部分がへこんでいることがあります。
筋肉が断裂しているかどうかは超音波(エコー)検査で診断できます。しかし、スポーツで筋肉を損傷して「肉ばなれ疑い」で受診する患者さんの中で実際に筋肉が断裂していることは稀です。ほとんどの患者さんは筋肉の一部が痙攣しているだけです。なので、痙攣している筋肉にトリガーポイント注射を打つだけで、筋肉の痙攣が止まり今までの痛みが嘘のように治ってしまうこともあります。
筋肉が断裂している場合でも、トリガーポイント注射を打つことで断裂部位周辺の筋肉の痙攣が止まり、筋肉の血流量が増加して、筋肉が早く修復されます。
受傷してからなるべく早い時期にトリガーポイント注射を打つことが大切です。時間がたってしまうと、痙攣が慢性化してしまい治療が難しくなってしまうからです。肉ばなれ以外のどんな怪我でも痛みを慢性化させないためには、痛みはなるべく早く取り除くことが重要です。怪我をして痛みが出たら我慢せず、なるべく早めに受診してください。