2012.6.05 カテゴリー|湿潤療法
42歳の男性
子供たちと蝋人形作りをしていて、あやまって溶けた蠟をかけてしまい受傷しました。
他の皮膚科を受診して処置を受けましたが、会社の同僚から勧められ受傷2日後に当院を受診しました。
初診時所見
手首から母指にかけての深い2度の熱傷でした。
前医では、水泡膜を破らず、そのままハイドロコロイドで覆ていました。
ハイドロコロイドは湿潤療法のために開発された創傷被覆材ですが、浸出液が少ない層に使用するもので、熱傷の初期などの浸出液が多い時期には適しません。(それでも、従来の熱傷治療で使用されているゲーベンクリームなどの組織障害性が高いクリームを塗られているより100倍マシでしたが・・・)
水泡膜を除去して穴あきポリ袋とペットシートで被覆しました。
2週間後
手首の一部を残して上皮化しました。手首の傷は自宅でプラスモイストを交換してもらうことにしました。
3週間後
きれいに治りました。
可動域制限もありません。