2012.8.03 カテゴリー|トリガーポイント注射
50代後半の女性
朝、立ち上がる時に左膝がコキンと鳴ってから、左膝がすごく痛くて歩けなくなり、その日のうちに当院を受診しました。
理学所見 膝関節の周囲の腫脹(-) 膝蓋跳動(-)
レントゲン所見 異常なし 骨折(-) 変形性膝関節症変化(-)
経過と診察結果から半月板損傷を疑いました。
しかし、丹念に触診をすると、内側広筋に圧痛点を複数認めました。
圧痛点にトリガーポイント注射を行ったところ、歩けるまで痛みが回復しました。
次の日に再度トリガーポイントブロック注射をしたところ、痛みはだいぶ良くなりました。
半月板損傷ではなく、内側広筋の「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」でした。
僕が「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」について知らなければ、おそらく「半月板損傷」と誤診していたことでしょう。
そして、診断のために「MRI」をオーダーして、MRIに異常があれば、「手術」を勧めていたことでしょう。
(MRIで、異常が見つからなければ「心因性疼痛」と診断して、心療内科に紹介していたかもしれません。)
MPSについて知っていたおかげで、患者さんによけいな負担をかけずに済んで、よかったです。