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正しい止血方法

2012.10.12 カテゴリー|その他の治療について

手や足を切って、血が止まらないと、当院を受診する患者さんがたくさんいます。その中の多くの患者さんが、間違った止血法をしていて、そのせいでよけいに血が止まらなくなった状態で来院されます。

 

一般的に出血している時は、出血部位より体に近い部分をきつく縛って締めて血を止める方法(止血帯法)がよく知られています。しかし、普通の切り傷などで、出血している場合は、たとえ動脈性にピューピュー出血していても、止血帯法による止血は行うべきではありません。

 

なぜなら、止血のために腕や脚を締めても、静脈のみを止めてしまい動脈は止められないので、ちょうど、採血の時に腕にゴムバンドを巻いたときと同じように、血管が怒張して開いてしまい、より出血が増え、よけい血が止まらなくなってしまうからです。

 

それなら動脈を止められるほどきつく締めればいいと、思うかもしれませんが、動脈を止めるほどきつく締めると、締めた部分の痛みがひどく、意識がある人はとても耐えられません。また、その圧迫により神経が麻痺してしまうこともあります。

 

では、正しい止血方法とはどのような方法でしょう。

 

出血している部位に、きれいなガーゼやハンカチ、布切れなどを直接当て、その上から手や三角巾等で圧迫して止血する方法です。片手で圧迫しても止血できないときは、両手で体重を乗せながら圧迫します。可能なら、腕や脚を心臓より高くしましょう。この方法を直接圧迫法といいます。 

 圧迫止血.jpg

この直接圧迫法で、ほとんどの出血は止めることが出来ます。

 

腕や脚を切断したとか、太い動脈が切れたとかの大怪我で、直接圧迫法では止血できずに、大量に出血していて、すでに意識が盲瘻としていて、すぐに止血しないと出血性ショックで死んでしまうような状態のときには、最終手段として止血帯法を用います。

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