2012.10.15 カテゴリー|ビオチン療法
当院では、掌蹠膿疱症に対してビオチン療法を行っています。
https://nishibori-seikei.com/biotin/index.html
当院では皮膚科の診療も行っていますが、僕の専門は整形外科です。そんな僕がビオチン療法を始めたきっかけについて書きます。
10年以上前、まだ勤務医だったころ、掌蹠膿疱症性関節炎による動けないほどの激痛で、50代の女性が入院してきました。
掌蹠膿疱症性骨関節炎http://www.nmnweb.net/wadai/11.html
当時、掌蹠膿疱症性関節炎に対する有効な治療法は知られていなかったので、痛み止めの投与や、関節内ブロック、神経ブロックなどで対症的に治療を行っていましたが、激痛がなかなか良くなりませんでした。そんなある日、患者さんの息子さんがインターネットでビオチン療法について調べてきて、ビオチンを処方してほしいと頼んできました。
その時、僕にはビオチンに関する知識が全くなかったので、急いで医局に戻って、インターネットでビオチンについてググってみました。
そこには、ビオチンはビタミンの一種であること、副作用はないこと、東北大学の内科出身で秋田県の本庄第一病院に勤務している前橋賢先生が掌蹠膿疱症に対するビオチンの有効性を発見したことなどが書いてまりました。
「ビタミンで副作用もないみたいだから、まあいいか」と考え、その患者さんにビオチンを処方したところ、1週間くらいで激痛がなくなり、歩けるようになりました。
動けるようになったので、患者さんの希望もあり、秋田県の前橋先生に紹介状を書いて診察してもらいました。前橋先生からのお返事で、ビオチンのほかに整腸剤やビタミンCを処方したほうがよいことを教えていただきました。
以来、ビオチン療法を続けています。