2012.10.25 カテゴリー|トリガーポイント注射
88歳の女性の方です。
10年前から腰痛と左下肢痛があり、某総合病院で「腰部脊柱管狭窄症」と診断され、湿布による治療を受けていました。
10月中旬に、急に左臀部から左下肢外側にかけての痛みが悪化し、歩けなくなり、4日後に当院を受診しました。
上図のように、左小殿筋にトリガーポイントを認めたため、トリガーポイント注射を行いました。
内科から、薬をたくさんもらっているので、内服薬は出しませんでした。湿布もたくさん持っているので、外用薬も出しませんでした。
週末をはさんで、三日後に再診した際には、痛みはほとんどなくなっており、普通に歩けるようになっていました。
そして、
「今までは湿布を貼っても、痛みは変わらなかったけど、注射してから湿布がよく効くようになった。」
とおっしゃっていました。
強い痛みや慢性の痛みには「痛みの悪循環」という現象が起きます。
【痛み】⇒【肉体的・精神的ストレス】⇒【交感神経が興奮】⇒【局所の血流が悪化】⇒【痛みがさらに悪化】
「痛みの悪循環」が起きているときは、通常の痛み止めや湿布では痛みが止められないことがあります。
この患者さんの場合、トリガーポイント注射で「痛みの悪循環」を止めたことにより、今まで聞かなかった湿布が効くようになったのでしょう。