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母指MP関節ロッキングの症例

2013.3.05 カテゴリー|骨折・捻挫の治療

48歳男性

 

家の片づけをしていて、左親指がひっかかり強制的に伸ばされた(強制過伸展)後から、左親指の付け根の関節(MP関節)に痛みが出現しました。

 

1週間後に当院を受診しました。痛みがある左親指のMP関節に腫脹と圧痛を認めました。親指のMP関節の屈曲は、右80度 左40度で、左親指に可動域制限を認めました。

 

レントゲンでは、上図の矢印の部分のMP関節が右側(小指側)に曲がっていました。

 

これは、母指MP関節ロッキングといって、MP関節にある掌側板という軟骨が、関節の間に挟まってしまっている状態です。

 

治療として、テレビレントゲンを見ながら、MP関節に局所麻酔薬(1%キシロカイン5ml)を注入し、関節を広げました。この患者さんの場合は、これだけでロッキングが外れました。

 

これだけでは外れない場合は、圧迫法という方法で引っかかっている掌側板を押し出します。それでも外れない場合は手術をすることもありますが、手術になることは非常にまれです。

 

受傷から時間がたつとロッキングが外れにくくなり、手術が必要になります。

 

親指が強制過伸展されてから親指が曲がりにくくなった場合、このロッキングを疑って、早めに整形外科を受診しましょう。

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