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大腸内視鏡検査が発症の原因と思われる掌蹠膿疱症の一例

2013.6.03 カテゴリー|ビオチン療法

50代の女性

 

3年前に掌蹠膿疱症にかかりました。

昨年秋より当院でビオチン療法を受けていて、症状は改善傾向にあります。

 

 掌蹠膿疱症は、ビオチンというビタミンが不足することが原因で発症します。本来、ビオチンは腸内細菌が産生してくれるので、あえて補給する必要がないビタミンです。しかし喫煙などが原因で、腸内細菌が乱れるとビオチンが産生されなくなり、ビオチン不足に陥り、掌蹠膿疱症になってしまうと考えられています。

 

 しかし、この患者さんに喫煙歴はなく、また受動喫煙に長時間さらされたこともありませんでした。ただ、発症する数か月前に、大腸ポリープの検査と治療のため大腸内視鏡を3回受けていました。

 

 大腸内視鏡検査では、大腸内をきれいにするために検査の前に強力な下剤を飲まなくてはいけません。その下剤が腸内細菌を乱してしまった可能性があります。

 

 他にも胃の中のピロリ菌の除菌のために数か月間抗生剤を飲み続けたために掌蹠膿疱症になってしまった患者さんもいました。このケースでは、抗生剤の長期内服が腸内細菌を乱したと考えられます。

 

 掌蹠膿疱症の原因は、ほとんどの場合は喫煙ですが、医療行為が原因になることもあるようです。

 

 

 

 

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