2015.11.13 カテゴリー|医療に関する迷信
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高齢者の骨粗鬆症にカルシウムが無効なことは、高齢者の骨粗鬆症の原因を考えれば当たり前の話です。高齢者の骨粗鬆症は骨を作る工場(造骨細胞)の働きがわるくなるからであって、原材料(カルシウム)が不足しているからではありません。原材料ばかり仕入れても工場が働いてないのだから、原材料が余ってしまい心筋梗塞や尿管結石症のリスクが高まります。
また、骨はタンパク質で出来た柱にカルシウムがくっついている構造です。タンパク質も一緒にとらないとカルシウムだけでは骨になりません。転倒予防のために運動をしても、タンパク質をとらなければ筋肉は増えません。ところが、骨粗鬆症のおばあちゃんにかぎって、肉を食べずに米と野菜ばっかり食っているので困ったものです。野菜は体にいい、肉は体に悪いという古い間違った説に洗脳されているのだと思います。
現在はテリパラチドやビスフォスフォネート製剤など骨粗鬆症の骨折予防に有効な薬があるので、カルシウムのサプリなんか飲まずに整形外科にかかりましょう。
2015.11.10 カテゴリー|湿潤療法
79歳のおばあちゃん
栗林でたき火をしていて、火がモンペに燃え移ってやけどしました。家にあった軟膏とガーゼで治療していたけど治らないので2日後に当院を受診しました。
右下腿前面に15×20センチくらいの2度の熱傷を認めました。(写真は撮り忘れました。)
穴あきポリ袋とペットシートによる湿潤療法を続けて、1週間後には一部を残してほとんど上皮化しました。我ながらうまく治せたなと思っていたのですが、このばあちゃん。
「なんだ、まだ治んねぇのげ」
なんて言ってきました。悪気はないのでしょうが、ちょっと悲しくなりました。
「あのねぇ。あんなに深いやけどが1週間くらいで治るのは、俺の治療がいいからだよ。よそにかかって、古い治療を受けていたら、今頃まだ痛くて、下手したら手術しないと治らないとか言われているよ」
と説明しましたら、
「なんで、やけどで手術なんかすんのげ?」
なんて言ってくるから、
「やけどがこんくらい深いときは、ももたあたりの皮膚を剝いで、やけどにはっつける手術をすんだよ」
て、説明したら、
「ああ、そうげ」
て、答えてたけど、全然ぴんと来てない感じだった。
ググって湿潤療法について調べて当院を受診したわけじゃなく、ただ近所っていうだけで当院を受診した患者さんには湿潤療法のありがたみはわかってもらえないみたい。
別にいいけどね。
2015.11.02 カテゴリー|トリガーポイント注射
70代女性
5年以上前からめまいがあり、あちこちの病院で検査を受けましたが、どこにも異常が見つからず、めまい止めの薬をもらっていました。骨粗鬆症の治療のために当院を受診した際に相談されたので、触診してみると頸の横にある胸鎖乳突筋にトリガーポイントを見つけました。試しにトリガーポイント注射をしてみたら、めまいがかなり良くなったようです。
胸鎖乳突筋にトリガーポイントができると、めまいのほかに、頭痛や眼の奥の痛みなどの症状が出ます。原因不明のめまいや頭痛の多くが、胸鎖乳突筋のトリガーポイントが原因で起きているのではないかと思われます。