2017.1.12 カテゴリー|トリガーポイント注射
80代のおばあちゃん
10年前の開業当初から、時々受診して、首や腰や手の痛みに対して、トリガーポイント注射や関節ブロックを時々受けていた患者さんです。
先日、2年ぶりくらいに当院を受診しました。
畑仕事をたくさんしたら腰が痛くなったそうです。久しぶりだったので、念のため腰椎のレントゲンを撮りましたが、老化現象のみで新しい圧迫骨折などは認めませんでした。
腰の筋痛症と診断して、トリガーポイント注射を勧めようとしましたが、「腰には絶対に注射しない!」と言われました。
「前にも、腰にも注射しているじゃん。何で?」と聞いたら。
「近所のばあちゃんが、腰痛で入院して、腰の注射を受けたら、そのまま寝たきりになっちゃったから、絶対にやらない!」と言われました。
『それって、俺がやった注射じゃないじゃん』とか
『前にうちで注射して何ともなかったじゃん』とか
『近所のばあちゃんも本当に注射のせいで寝たきりになったのかどうか、わからないじゃん』とか
『本当に注射のせいで寝たきりになったとしたら、神経根ブロックや腰椎硬膜外ブロックを受けて感染症か血腫による麻痺を起こしたのだろうけど、そんな危険な注射、うちではやらないし』とか
いろいろ言いたいことはありましたが、思い込んじゃっているおばあちゃんに何を説明しても無駄だろうと思って黙ってました。
それで、「わかりました。では薬と貼り薬だけで様子みてちょうだい。」とだけ言って、帰そうと思ったのですが、なんだかもやもやしていたもんで、続けていろいろ言ってしまいました。
「でもね、『腰の注射を打つと寝たきりになる』なんてデマを広げられると、うちにとって営業妨害になるから止めてくれ。俺に腰の注射をしてもらうために県外からも患者さんが来ているんだから、そんなデマを広げられたら非常に困る。」
おばあちゃんはびっくりして「そんなこと誰にも言わないよ」と言ってたけど、絶対言うだろうな。
当院で行っている腰の注射はトリガーポイント注射です。筋肉に局所麻酔薬を打つだけなので危険性はほとんどありません。