2012.6.22 カテゴリー|その他の治療について
50代の男性が左薬指の付け根の部分にできものがあり、押すと痛いと言って受診しました。
腱鞘炎もしくは、ガングリオンを疑い、超音波検査装置(エコー)で検査をした結果、腱鞘に出来たガングリオンでした。
上の画像で、黒く抜けている部分がガングリオンです。
その下の、横に走る白い筋が屈筋腱です。
さらに下の、白くて丸っぽいでっぱりは、左が中手骨、右が基節骨です。
ガングリオンは、薄い皮膜の中にゼリー状の内容物がたまる良性腫瘍です。
大きな場合は太めの針を刺して、内容物のゼリーを吸引しますが、
この症例は直径が4㎜と非常に小さいため針を刺すのはかなり困難です。
ガングリオンを上からマッサージをするように押すと、皮膜が破れて中身が飛び出して消えることがあるので、
暇な時に自分でマッサージをして様子をみてもらうことにしました。
超音波検査は体に対する侵襲もなく、レントゲンではわからない筋肉や靭帯の状況がよくわかります。
ガングリオンや粉瘤、脂肪腫などの皮下腫瘍の診断にもとても役に立ちます。