2013.5.10 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
12歳の女の子
体育の跳び箱で着地に失敗して、右肘を打って受傷しました。
すぐに当院を受診しました。
レントゲン上、上図の矢印の部分(橈骨頸部)が折れて大きくずれていました。
この部位は、前腕を回す運動(回旋)の軸となる部分なので、ずれたままつくと前腕の動きが制限され、日常生活に著しい支障をきたします。
手術をして固定したほうが良いと考え、近隣の総合病院数件に電話で転院のお願いをしましたが、すべて忙しいという理由で断られてしまいました。
金曜日の夕方というタイミングが悪かったのかもしれません
次善の策として、本人と家族と相談して、当院で保存的に治療することになりました。
骨折部に局所麻酔をかけ、テレビレントゲンを見ながら徒手的に骨折を整復しました。
整復後のレントゲン ↓
うまく許容範囲内に整復できたので、ギプスで外固定しました。
この際のギプスは、肘の屈伸は制限するけど、前腕の回旋は自由にするMacAuslandタイプにしました。
固定しながらも前腕の回旋をさせることで、回旋に適した位置で骨が癒合します。
3週間後ギプスを外しました。
その後1か月は自宅でお風呂の中で可動域訓練をしてもらい。
そのあと1か月間、当院で週2回、加圧リハビリテーションをしてもらいました。
4か月後のレントゲンです。 ↓
橈骨頸部は10度ほど曲がっています。
左肘に比べて、屈曲と伸展に10度の可動域制限を認めますが、回旋運動には可動域制限を認めていません。
現在、日常生活に支障はなく、バレー部に入って頑張っています。