2016.4.14 カテゴリー|その他の治療について
80代の男性
特にぶつけたりしていないのに、右手のこぶしが腫れて痛くなったと言って、当院を受診しました。
診察すると、確かに中指の付け根の手の甲側(こぶし)が腫れていて圧痛を認めました。
しかし、手をひっくりがえして、中指の付け根の手のひら側を押すと、もっと強い圧痛を認めました。
ばね指(腱鞘炎)と診断して、手のひら側の圧痛点にケナコルトの注射をしました。
ばね指は、手の指の屈筋腱の腱鞘炎です。
腱鞘とは健が通るトンネルで、そこが炎症を起こすと、腱の滑りが悪くなり、引っかかって、バネがはねるような動きをするのでばね指と呼ばれています。
通常、ばね指では腱鞘のある指の付け根の手のひら側に痛みと腫れが出現します。
しかし、炎症がひどくなると手の甲側のこぶし周囲も腫れてきます。
手のひらより手の甲のほうが皮膚が薄いため、腫れが目立つので、患者さんはこぶしが腫れていると訴えてくるのです。
ばね指でこぶしが腫れることもあります。