「なつい式湿潤療法」をやってます。
2019.1.24 カテゴリー|湿潤療法
当院の湿潤療法は「なつい式」です。
なつい式湿潤療法の条件は以下の通りです。
①創面の消毒など
・水道水洗浄する。
・熱傷,一般外傷を問わず傷の消毒はしない。感染創であっても消毒しない。
・創面をボディーソープなどの界面活性剤で洗わない。
②創面の被覆
・創面を乾燥させない創傷被覆材(ハイドロコロイド被覆材,プラスモイスト®,ズイコウパッド®,ハイドロサイト®など)で創面を覆う。
・浸出液の量により被覆材を選択する(例:浸出液が多い場合は吸収力の高いズイコウパッド®,プラスモイスト®,ハイドロサイト®などを選択)。
・以下のような,通気性が高く,基本的に単独使用では創面を乾燥させる治療材料は使用しない。
(ガーゼ、ソフラチュール®,シリコンガーゼ、メロリンガーゼ®、その他の通気性のある治療材料)
③外用剤
・使用する外用薬はワセリン(プロペト®)と油脂性基剤の外用薬(ステロイド軟膏,ゲンタシン軟膏®など)のみ。
・消毒薬と消毒液を含む外用剤(イソジンゲル®,カデックス軟膏®,ユーパスタ®など)は絶対に使用しない。
・クリーム基剤の外用薬(ゲーベンクリーム®,エキザルベ®,ヒルドイドソフト®など)は絶対に使用しない。
クリーム基材の外用薬は合成界面活性剤を含むため,創面に塗布すると細胞膜を破壊し,傷を深くする。すなわち,クリーム基材の外用薬は化学的・生物学的には創面破壊薬である。
・フィブラストスプレー®は絶対に使用しない(患者に拷問級の激痛を与え,治療効果も疑わしいため)。
④創感染した場合の対処
・消毒薬,消毒薬含有外用剤は使用しない。
・抗生剤を投与(経口投与,点滴)する。
・感染源(熱傷水疱,壊死組織,異物など)を見つけて除去する。
当院の湿潤療法は上記条件を満たしているので「なつい式」です。
なんちゃって湿潤療法ではないので、安心して受診してください。