2017.3.01 カテゴリー|医療に関する迷信
スタチン系と呼ばれるコレステロール低下薬があります。リピトールとかクレストールなどが代表的です。
高コレステロール血症があるメタボの中年男性や高齢者はほとんどみんな飲まされています。
このスタチン系の薬には横紋筋融解症という怖い副作用があります。
横紋筋融解症は、薬の副作用で筋肉にある横紋筋細胞が溶けて、細胞成分が溶け出して、最悪の場合は腎不全になってしまうこともあります。
横紋筋融解症の初期症状に筋肉痛があります。
スタチンを飲んでいる患者さんが筋肉痛を訴えると、内科の先生は横紋筋融解症を疑って、血液検査を行います。横紋筋融解症の場合、クレアチニンキナーゼ(CK)やカリウム(K)が上昇するので血液検査で診断をすることが出来ます。
血液検査の結果に異常がなければ「薬の副作用じゃないから心配ないです」と診断されます。
もちろん薬を中止したり変更したりはしてくれません。
内科の先生には直接言えないけど、そうじゃないんだよなぁ。
筋肉痛=横紋筋融解症じゃないんだよね。
スタチン系の薬には横紋筋融解症とは別に筋肉痛という副作用があるんだよね。
リピトールやクレストールの添付文書にもちゃんと記載があります。
リピトールの横紋筋融解症の発生頻度は「頻度不明」、肩こりや筋肉痛など発生頻度は0.1~5%です。
クレストールの横紋筋融解症の発生頻度は0.1%未満、肩こりや筋肉痛など発生頻度は0.1~2%です。
頻度不明というのは、ほとんどないと同じような意味なので、横紋筋融解症よりもずっと多い確率で肩こりや筋肉痛などが発生していることがわかります。
私はコレステロールは下げる必要がないと考えているので、筋肉痛がある患者さんは速やかにスタチン系の薬の内服をやめてほしいと思っていますが、内科の先生に治療方針にケチをつけるわけにもいかないのでなかなか難しいところです。
コレステロールは下げる必要ない
https://nishibori-seikei.com/blog/2015/02/post-479.html
コレステロールは下げる必要ないのつづき