2017.8.28 カテゴリー|トリガーポイント注射
筋膜リリースを希望して当院を受診する患者さんがたまにいますが、当院では筋膜リリースはやってません。
どうも「茨城県 筋膜リリース」と検索するとこのブログがヒットするようです。
ブログの記事をよく読んでもらえば、私が筋膜リリースに対して否定的な考えを持っていることはわかると思うのですが、ブログをいっぱい書いているからイチイチ読んでたら大変なんで仕方ないかなとは思います。
筋膜の癒着が慢性疼痛の原因って仮説自体が間違っていると思っているのです。
整形外科医なので筋肉の手術をたくさんしてきましたが、正常な筋肉の筋膜が癒着しているところを見たことがありません。
手術をした後とか、感染した後などの筋膜が癒着しているところは見たことがありますが、そんな場合はハサミなどで徒手的に剝がさないと癒着を剝がすことができませんでした。とても注射器で生理食塩水を注入したくらで剝がれるようなものではありません。
慢性痛は筋肉や脳、神経の機能障害が原因です。
どこかが壊れているからではなく、どこも壊れてないのに働きが悪くなっているのです。
その辺がよく理解できないから、筋膜の癒着が慢性痛の原因とかよくわからないことを言い出すんだろうなぁ。
最近、筋膜リリースが急に広まった背景には、整形外科医にエコー検査機を売り込もうとしてるエコーメーカーの関与があります。
私もエコーは持ってますが、ほとんど皮下腫瘍の診断のために使っていて、たまに肉離れの血腫の有無の確認に使うくらいです。
整形外科の病気や怪我の診断にはほとんどエコーを使いません。
なので整形外科開業医の先生はほとんどエコーを持っていません。必要性がないからです。
どうすれば整形外科医にエコーが売れるのか悩んでいたメーカーにとって、エコーがないとできない筋膜リリースは「渡りに船」だったのです。
エコーメーカーのような大きな会社が宣伝したので、あっという間に筋膜リリースが整形外科医の中に広がっていきした。
エコーメーカーがいくら売り込んできても、私は筋膜リリースをやりません。
筋膜の癒着が慢性痛の原因だという仮説自体が嘘くさい思っているからです。
こんだけエコーメーカーが売り込んでいるんだから、茨城県内にも筋膜リリースをやっているお医者さんがいると思うんだけど、ブログどころかホームページも作ってない医院がほとんどだからなぁ。
業界全体としてのITリテラシーが低すぎると思う今日この頃だよ。
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