2019.9.30 カテゴリー|その他
60代の女性
10年前から腰痛で当院に通院していました。9年前からは内科でもらっていた高血圧の薬も処方していました。
ここ数年は、ごくたまに腰にトリガーポイント注射をするだけで、普段は「調子は悪くない」と言って、高血圧の薬だけもらっていました。
先日受診した際、左ひざをかばって杖をついてびっこを引いていたので、びっくりしまして、
「どうしたの?転んだの?」と聞いたら、
「1カ月前にA病院で、左ひざの手術を受けてきた。」というのです。
さらにびっくりしました。なぜならこの10年間、この患者さんから膝が痛いという話をただの一度も聞いたことがなかったからです。
膝をかばって歩いているところも一度も見たことがありません。
「俺は手術するほど膝が痛いって話聞いたことないんだけど、いつから痛かったの?」と聞いたら、
「4カ月くらい前かな、それで近所の人に相談したらA病院がいいっていうから手術を受けてきた。」としれっと答えるのです。
痛みが出てから少なくとも3回は当院を受診しています。しかもなんと、手術の前日も何も言わずに当院を受診しているのです。
10年以上の付き合いで、信頼関係ができていると思っていた患者さんだったので、私はひどくショックを受けました。
「普通は、近所の人じゃなくてまず整形外科の主治医に相談するんじゃないの?長いこと医者をやっているけど、こんなひどい侮辱を受けたのは初めてだ。今後、高血圧の薬は内科でもらうようにしてください。」
と伝えたけど、なんか全然ピンと来てない感じだった。来月もしれっと高血圧の薬をもらいに来る予感がする。
いろんな人がいるから、むかつくことはよくあるけど、こんなショックを受けることはめったにないよ。
俺はショックだよ。