2013.5.29 カテゴリー|医療に関する迷信
40代後半の男性
3日月くらい前から膝を伸ばすときにボキボキ鳴って痛みが出るようになり、当院を受診しました。
お話をよく聞くと、毎日10㎞くらいのウォーキングをしているそうです。
その時点で、「そりゃ、ウォーキングのやりすぎでしょ。」と思いましたが、本人の希望もあり念のためレントゲンを撮りました。
レントゲンでは異常ありませんでした。触診で、内側広筋に数カ所のトリガーポイントを認めました。
思った通り、ウォーキングのやりすぎによる筋筋膜性疼痛症候群(MPS)でした。
「ウォーキングのやりすぎで、筋肉が硬くなっているため、関節がスムーズに動かなくなりボキボキ鳴るのです。早く治すなら、トリガーポイント注射が有効ですが。ウォーキングを1か月くらい休めば、それだけでよくなる可能性もあります。」
と説明しました。
「じゃあ、しばらくウォーキングを休みます。」
と返事をして、お帰りになりました。
でもどうでしょう。本当にウォーキングを休むとは思えません。
毎日10㎞歩いているということは、毎日3時間近くウォーキングのために時間を費やしているということです。もう完全に「ウォーキングしないと死んじゃう病」です。
ウォーキングは体にいい!
ウォーキングさえしていれば健康でいられる!
ウォーキングしないと病気になる!
ウォーキングしないと歩けなくなる!
と思い込んでいるはずです。
でも残念ですが、ウォーキングには痛みを我慢してまでやるほどの効果はありません。
関連ブログ
ウォーキングをしないと死んじゃう病
https://nishibori-seikei.com/blog/2013/01/post-172.html
筋筋膜性疼痛症候群とは