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保健室の先生相手に湿潤療法の講演をしてきました。

2015.7.11 カテゴリー|湿潤療法

 先月の話になりますが、笠間市内の小中学校の保健室の先生に湿潤療法の講演をしてきました。

 講演に先立って、「湿潤療法について知っている先生はますか?」と尋ねたらほぼ全員が手をあげました。しかし、続いて「では、湿潤療法を実践している先生はいますか?」と尋ねたら、私がPTA会長をやっている岩間中の先生がそっと手を挙げただけでした。

 湿潤療法につてい30分ほど講演をした後、質問を受け付けました。すると、一人の先生が「以前に私は(石岡第一病院にいた)夏井先生から直接講演を受けて、湿潤療法をしていました。しかし、子供も父兄も傷は消毒するものだと思っていて消毒しないで帰すと、『なんで消毒しないんだ』と文句を言われることがあったので、湿潤療法がやりたくてもやれなくなってしまいました。こういう場合どうしたらいいでしょう?」と聞かれました。

 その質問に対して、私はこう答えました。

「本来は、文句を言ってきた親に、消毒が毒であることを丁寧に説明するべきでしょうが、そんなことしていたら先生たちの仕事が増えて大変だし、もともと頭が固い人には、理解させること自体が無理でしょう。だから、生徒たちに湿潤療法を押し付ける必要はないと思います。しかし、今はインターネットが普及しているので、湿潤療法についてググったことがある人や、あるいは私や夏井先生の治療を受けたことがある人などは『消毒をしてはいけないこと』を知っています。だから、保健室に来た子供に直接、消毒を受けるか、水で洗うだけにするか聞いて、消毒を希望した子供にだけ消毒したらいいと思います。」

 

 消毒されたら痛いし、キズの治りも悪くなるし、いいこと何もないけど、本人が消毒を希望した場合は仕方ないよね。

 でもこれは、学校の保健室の話であって、当院を受診した患者さんは、そういうわけにはいかないよ。

 今でもたまに、「消毒しないんですか?」と聞いてくる患者さんがいるけど、そういう時はこう答えています。「最新医学では、消毒は傷の治りを悪くするだけで、化膿の予防にはならないことがわかっています。だから消毒はしません。今でも、創を消毒しているのは勉強不足のやぶ医者だけです。」

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