当院におけるテレパラチド週一回製剤の使用経験~骨折抑制作用と疼痛改善作用について~その①
2016.1.25 カテゴリー|その他の治療について
昨年の9月に笠間市骨関節研究会で発表した。テリボンの使用経験について、まとめてみました。
背景
当院では、圧迫骨折による腰痛に対してテリボン皮下注射を行っている。テリボンを注射することで劇的に痛みが改善する患者さんが、少なからずいる。テリボンの効果について、カルテを元に評価した。
テリボンが著効した症例
症例① 72歳女性
5年前より骨粗しょう症で通院中の患者。
誘引なく右腰痛が出現して、翌日当院を受診した。レントゲン上は多発圧迫骨折を認めた。骨密度はYAM値54%であった。
右腰方形筋へのトリガーポイント注射を4回行ったが、痛みが改善しなかったが、テリボン皮下注を1回行ったら、劇的に痛みが改善した。
症例② 90歳女性
草の根を引っこ抜こうとして、キアッとしてから腰に痛みが出た。3日後に当院を受診した。レントゲン上、L2圧迫骨折を認めた。骨密度はYAM値42%であった。
初診時にテリボン皮下注射開始した。4週間後には腰痛が消失した。6週間後に通院を自己中断した。
症例③ 87歳女性
しりもちをついてから腰痛が出現して、翌日当院を受診した。レントゲン上、多発圧迫骨折を認めた。骨密度はYAM値44%であった。
トリガーポイント注射とエルシトニン筋注を2回行ったが痛みは改善しなかった。テリボン皮下注を行ったら、1回で痛みに劇的によくなった。8か月後に通院を自己中断した。