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やけどした女の子のお母さんへの説明

2016.3.02 カテゴリー|湿潤療法

 小さい女の子がやけどしてしまった場合、お母さんは創が残ることをものすごく心配します。

 子供にやけどをさせてしまった自責の念も相まって、精神的に不安定になってしまうお母さんもいます。

 そんなときに私は、こんな説明をしていました。

 「大丈夫、多少創が残っても、それに対する治療も出来るので、心配ありません。大きくなって、AKBに入るころにはよく見なければわからないくらいの創になっている可能性が高いです。○○ちゃん、AKBに入りたい?」

 「う~ん、お花屋さんになりたい」

 「お花屋さんになるなら、もっと大丈夫だね。お母さんが必要以上に心配していると、子供の心によけいな創を残しちゃうから、そんなに心配しないでください」

 しかしこの説明だけでは、お母さんの不安や自責の念が消えませんよね。

 もっと、うまく説明する方法はないものかと考えておりましたら、

 

 今朝の夏井先生のウェブサイトに、こんなときに夏井先生がする説明が載っていました。

http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0302-8

 傷跡がない子どもに育てることより大事なことがある。思いやりがある優しい子どもに育てること,誰からも好かれる性格のいい子どもに育てることだ。
 なぜかというと,親はほとんどの場合,子どもより先に死ぬからだ。親が死んだ後,自力で生きていける人間に育てることが親の最大の義務。
 多少傷跡があっても性格が良ければ助けてくれる人がいるが,傷跡は全くないのに性格が悪ければ誰も寄ってこないし,助けてもくれない。生きていく上で小さな傷跡があろうがなかろうがハンディにはならない。
 あなただって顔などに小さな傷跡の一つや二つはあると思う。それでも今の旦那様と出会えたし結婚もできたのだから,小さな傷跡はあなたの人生のハンディになっていないはずだ。それはこの子も同じ。
 最悪な親は,子どもの傷を見てはさめざめと泣いてばかりいる親。そういう親を見て,子どもは自分が悪いから親が泣いていると感じてしまう。それは子どもの精神衛生上よくない。だから,子ども前では傷跡が気になっても頑張って笑った方がいいと思う。

 そうそう、これです。

 こういうことをお母さんに伝えたかったのです。

 さすが夏井先生だなぁ。

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