2016.5.11 カテゴリー|その他
40代の中学校の先生
日曜日に部活の指導中に生徒とぶつかって左胸部に痛みが出たため当院を受診しました。
レントゲン上骨折はなかったので、「肋骨の打撲です。ただ、肋骨は折れてなくてもぶつけると2週間くらいは痛みます。」と説明して、湿布を1週間分処方しました。
仕事中の怪我は労災です。中学校の先生は公務員なので公務労災になります。
労災は自己負担ゼロの労災保険で治療するので、健康保険は使えません。
そう法律で決まっているのです。
労災とわかっていて健康保険に治療費を請求するのは詐欺です。犯罪です。
そんなわけで、当日は全額自費で治療を受けてもらって、公務労災の手続きがすんだら、全額返金することにしました。
その日はそれで納得して帰られたのですが、後日、平日の午前中に突然やってきて、こんな無茶なことを言ってきました。
患者さん「部活の指導は仕事じゃないので、労災じゃないから健康保険でやってほしい」
当院事務長「部活の指導は仕事だから、健康保険は使えません。」
「部活と言うより遊びみたいなものだから、仕事ではない。」
「職場での怪我は、たとえ昼休みの休憩中でも労災です。」
「わたしは労災じゃないと思うので、健康保険を使ってほしい。」
「では、まず労災の手続きをして、労災かどうか労働基準監督署で審査してもらってください。」
「それは(面倒くさいから)やりたくないから、健康保険でやってほしい。」
「それなら、健康保険組合に問い合わせて、健康保険が使えるかどうか確認してください。」
「それもやりたくない。」
「では自費で治療するしかありません。」
実際はもっとぐちゃぐちゃ言ってましたが、最後はあきらめてお帰りになりました。
健康保険が使えるかどうかは全部法律で決まっているんですよー。
本人や医療機関が決めることじゃないんですよー。