2017.1.30 カテゴリー|その他の治療について
60代の女性、10月頃から両手のしもやけがひどく、近所の皮膚科に通っているけどよくならないと当院を受診しました。
両手の指が全部赤く腫れ上がっていて、あちこち皮膚の皮がべろべろに剥けてびらんになっていて、気の毒なほどひどいしもやけでした。
皮膚科で出ている薬を見せてもらったら、ユベラ錠(ビタミンE)とヒルドイドソフト軟膏でした。
ユベラ錠はまだいいでしょう。一応、しもやけ(凍瘡)に適応があるから。ひとつも効かないけどね。
ヒルドイドソフト軟膏はダメです。
ヒルドイドソフト軟膏の添付文書に「潰瘍、びらん面への直接塗擦または塗布を避けること」って明記してありますからね。
ヒルドイドソフト軟膏は軟膏と名前がついていますが、実際はクリームです。
クリームには界面活性剤が大量に入っているので、角質で守られていない潰瘍やびらん面に塗ると皮下組織が破壊されて、潰瘍やびらんが悪化します。
患部を見ないで薬を出したのか?
あるいは、びらん面にクリーム製剤を出していけないこと知らないのか?
もしかして、ヒルドイドソフト軟膏は軟膏って名前がついているから、クリームじゃなくて軟膏だと思っているのか?
まさか、軟膏とクリームの違いも知らないのか?
いずれにしろ、患部を悪化させる外用薬を処方するなんてもうダメすぎです。
しもやけは、寒さによる血行不良が原因なので、けっこう改善目的にプロサイリン錠を処方しました。
また、皮膚のびらんに対してはステロイド軟膏(マイザー)を処方しました。