2017.7.28 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
80代の女性
認知症があり施設に入所中
椅子から転落して受傷しました。
初診時のレントゲンで左上腕骨外科頚骨折を認めました。
転位も軽かったので、手つり固定だけで保存的に治療することにしました。
しかし、認知症があるため、手つり固定はすぐに外してしまったようです。
2週間後のレントゲンで骨折は大きく転位してしまいました。
ここまでずれちゃうと普通はもうくっつかないので、手術の適応ですが、以下のように家族に説明して納得してもらいました。
「ここまでずれちゃうと骨はくっつかないので普通は手術が必要です。しかし、高齢だし、認知症があるので手術は危険です。骨がくっつかないと腕は上がらなくなりますが、時間が経てば折れた骨の角が丸くなって痛みは無くなります。なのでこのまま様子をみましょう。」
さらに2週間後、再診してもらいました。
施設の職員の話では、ほとんど痛がらなくなったというのです。
レントゲンを撮ると、なんと仮骨ができて骨がくっついていました。
びっくりです!
曲がってくっついたので、左肩は70度くらいまでしか上がりませんが、元々食事や着替えは全介助だったので特に支障はないようです。
でも、若くて元気な人は手術しなきゃダメですよ。