2018.4.04 カテゴリー|湿潤療法
60歳男性
栗の木の剪定をしていて枝が落ちてきて、左手の甲を切りました。昔にケガしたときのもらった軟膏が家にあったのでそれを塗っていましたが、10日経っても良くなるどころかだんだんひどくなってきたので当院を受診しました。
受診時のキズの写真です。
キズの周りの皮膚が茶色く変色していて、キズの中には溶けたさとうのようなものが入っていました。
軟膏はイソジンシュガー(ユーパスタ)だと思われます。
イソジンシュガーは、消毒薬のイソジンと砂糖を混ぜた軟膏です。
砂糖は水をたくさん吸収するので、イソジンによる消毒して砂糖でキズを乾燥されることが目的の軟膏です。
湿潤療法とは真逆の考え方で作られている大昔からある軟膏のひとつです。
消毒も乾燥も、傷の治療にとっては邪魔でしかないので、創はどんどん深くなってしまいました。
イソジンシュガーをきれいに取り除くと、キズは皮膚潰瘍を形成していました。
ヘモスタパッド、プラスモイストDC、ハイドロコロイドなどを使って湿潤療法を行いました。
10日後にはきれいに治りました。
キズにイソジンシュガーとか使っちゃ絶対ダメだよ。