2018.5.10 カテゴリー|トリガーポイント注射
痛みの治療は、プラセボ効果をいかにうまく使うかにかかっていると思います。
飲み薬だって、湿布だって、トリガーポイント注射だって、この治療を受ければ良くなるという思い込みがあれば、すごく良く効きます。
特に湿布やテープ剤はプラセボ効果が高いと思うんです。
一般的には湿布やテープ剤に含まれている痛み止めの成分(モーラステープだったらケトプロフェン)が皮膚から吸収されて効果を発揮すると言われていますが、私は違うんじゃないのと思っています。
そもそも皮膚は厚い角質で覆われているので、薬剤を吸収するようには出来ていません。痛み止めの成分が角質を通過して皮下脂肪を乗り越え分厚い筋膜を通り抜け、筋肉の中にある痛みの原因トリガーポイントに到達するなどという都合がいいことが本当に起こるとはとても思えないのです。
湿布やテープ剤はると皮膚にビリビリとした刺激があります。この刺激が脳に伝わることで、その分トリガーポイントの痛みの刺激が脳に伝わることを抑制するんじゃないかと考えています。
たとえば、蚊に刺されたときに刺された部位を爪で立ててバッテン印をつけると、痒みが少し楽になります。これは痛み刺激が痒み刺激を抑えるためです。これと同じことが湿布やテープ剤を貼ったときにも起きているのではないでしょうか。
だから湿布やテープ剤はほどよくビリビリしたほうがよく効くのです。
昨日のブログでモーラステープについて書いたら、大学の同級生から「今どきモーラステープなんか処方するからそんなことになる」とコメントをもらいました。
それはそうなんだけどね。ただね、モーラステープが一番ほどよくビリビリするんだよね。なのでビキニを着る機会がなさそうな腰痛の患者さんには今でも処方してます。
あと、モーラステープが一番効くと思っている患者さんにはモーラステープが一番効くのよ。だってプラセボ効果だから。