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油性ペンの落書きはハンドクリームで消えるよ

2019.12.26 カテゴリー|湿潤療法

今朝のZIPでこんなニュースを取り上げていました。

「落書きを落とす」保育士が園児の顔を研磨作用スポンジで...全治1ヶ月やけど

https://www.fnn.jp/posts/00429526CX/201912251847_KTV_CX

けがをしたのは、3歳の男の子。
園に40年以上勤務していた60代の女性保育士は、研磨作用のあるメラミンスポンジで頬をこすったという。
母親によると、男の子は、全治1カ月のやけどと診断され、半年たった今も傷痕が残っているという。
 
 いろいろと突っ込みどころがあるニュースです。
 「子供が体に落書きすることはよくあることだし、ほっとけばそのうち皮膚の新陳代謝で自然と消えるから、無理に消すことないんじゃね。」
 「映像で見る限り、1度のやけどだから、ハイドロコロイドを貼れば3日で治るんじゃね。1カ月もかかるのは従来の熱傷治療をしている藪医者にかかったからじゃね。」
 「少しググれば、油性ペンの落書きがハンドクリームで消えることが出てくるから、激落ちくん(メラニンスポンジ)使う前に、ググレカス」
 「ググらないで激落ちくんを使った保育師も悪いけど、ググらずに湿潤療法をやっていない藪医者に連れて行った親も悪い。なのに全部保育園のせいにして、刑事告訴するっておかしくね。ただでさえ激務につりあわない薄給で保育師を辞めちゃう先生が多いのに、刑事告訴までされると思ったら、みんな辞めちゃうじゃん。これ以上少子高齢化が進んだら日本はつぶれちゃうのよ。どうすんのよ。」
 
 とりあえず、みんなに知ってもらいたいのは、油性ペンの落書きはハンドクリームで消えるということです。
 ハンドクリームは合成界面活性剤の塊なので油汚れがよく落ちます。
 
 手に塗ると皮脂も落としてしまいます。
 皮脂は皮膚を守っている皮膚常在菌の餌なので、落としてしまうと皮膚常在菌が減って病原菌が増えて手荒れはますます悪化します。
 ハンドクリームを塗った瞬間は、合成界面活性剤の働きで皮膚がつるつるになったように感じますが、皮脂が無くなるのでしばらくするとゴワゴワになります。
 ゴワゴワになるからまたハンドクリームを塗って、さらにゴワゴワになるという悪循環。
 トクするのはハンドクリーム会社だけ。
 
 手荒れを治すには、合成界面活性剤が入っている洗剤を使わないことです。
 どうしても使わなければならないときはワセリンを塗って保護してから使いましょう。

高齢者の骨折はレントゲンに写らないことがあるよ

2019.12.20 カテゴリー|骨折・捻挫の治療

89歳の女性

自転車に乗っていて、バランスを崩して右踵を地面に強打して受傷しました。

翌日、当院を受診しました。

右踵骨部に圧痛と腫脹を認めたので踵骨骨折を疑ってレントゲンを撮りました。

20191220084335776001.jpg

しかし骨折はありませんでした。

「レントゲン上は折れてないけど、症状的には折れている可能性が高いです。高齢者の骨折は最初のうちはレントゲンに写らないことがあるので、1週間経っても痛みが続くときは再診してください。」と説明しました。

5日後に痛みが取れないと再診しました。

20191220084335776002.jpg

やっぱり折れてませんでした。

「折れてないから大丈夫だけど、なかなか治らなかったらまた来てね。」と説明しました。

受傷から3週間経っても痛みが残っていたので、再再度レントゲンを撮りました。

20191220084335776003.jpg

折れてました。

踵の骨の先端のに少し内側が白っぽくなっているのがわかるでしょうか。

これは骨髄内仮骨といって、骨折が修復されるときに出来る新しい骨です。

骨髄内仮骨が出来たということは骨折していたということです。

「折れていました。でももうくっついてきているから大丈夫です。」と説明しました。

さらに1週間後受診した時は、踵の痛みは無くなっていました。

念のためレントゲンを撮りました。

20191220084335776004.jpg

骨髄内仮骨がさらに出来ていました。

「もうくっついているから大丈夫だよ」と説明して治療を終了しました。

 

高齢者や子供の骨折は、最初のうちはレントゲンに写らないことがあるから要注意です。

最初に診察したときに、そのことをきちんと説明しないと、痛みがあるのにほっといて骨がずれたり、よその病院にかかって骨折が見つかって「見逃しだ」と騒がれたりする可能性があります。

今回の件も最初に説明していたから、患者さんにも家族にも納得してもらえました。

最初にわかりやすく説明することが大事です。

死ぬかと思った

2019.12.09 カテゴリー|その他

 先日、自宅のリビングの蛍光灯が切れました。

 リビングは吹き抜けになっているので、蛍光灯は3メートルくらいの高さにあります。

 5段の脚立の4段目に乗ってやっと手が届く高さです。

 私は観覧車にも乗れないくらいの高所恐怖症なので、入居したときから「この蛍光灯が切れたら、俺が交換しなくちゃいけないの・・・・」と恐怖を感じていました。

 それがとうとう切れてしまいました。

 

 仕方ないので、私が交換することにしました。

 蛍光灯を交換するにはカバーを外さなければいけません。説明書にはひっぱれば簡単に外れるかのように書いてありましたが、いくらひっぱっても外れません。

 思いっきりひっぱったらパカッと外れてその勢いでバランスを崩し高所から後方に頭から落ちました。

 落ちながら「これは頭を打って死ぬな。少なくとも脊髄損傷にはなるだろう。まだ学生の娘たちが心配だな。」と思いました。

 

 しかし、奇跡的に、脚立を置くために動かしていたソファーの背もたれに腰が落ちて、そのままソファーの座面に背中が落ちて引っかかったので、頭を打たずにすみました。

 とりあえず、手足が動くことを確認してソファーから起き上がりました。

 衝撃で首が激しく伸展したので、翌日、胸鎖乳突筋にひどい筋肉痛が出ましたが、死ななかったのだから全然平気です。すぐに治ったし。

 

 次に蛍光灯が切れたら電気屋さんを頼もうと思います。

 それより、家中の電気をLEDに変えた方がいいかな。

 現在検討中であります。

 

 あ~~~~死ななくて良かった。

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