2020.4.14 カテゴリー|トリガーポイント注射
60代の女性
12月頃から両膝に痛みが出現しました。
2月に当院を受診しました。
レントゲン上、初期から中期の変形性膝関節症でした。
右膝には水も貯まっていたので、セレコックスを処方して水を抜いてケナコルトを関節内注射しました。
でも痛みはあまり取れませんでした。
その後も、ヒアルロン酸注射やトリガーポイント注射などを行いましたが、どれも効果が今ひとつでした。
1ヶ月治療して、これは慢性痛になっていると説明して、「サインバルタ」を処方したら、すぐに痛みが改善しました。
こんなことならもっと早くサインバルタを使うんだった。とちょっと後悔しました。
この患者さんは12月から2ヶ月間も痛みを我慢していたせいで慢性痛になってしまっていたのです。
痛みを我慢していると、痛みに対して敏感になり、痛みが悪化する慢性痛という状態になってしまいます。
小難しい説明ははしょりますが、サインバルタには痛みに敏感になっている神経の働きを正常に戻す作用があります。
私はサインバルタを処方するときに以下のように説明しています。
「○○さんの痛みは、慢性痛になってしまっているので、普通の痛み止めがあまり効かないのようです。慢性痛に効く薬を出します。副作用で吐き気が出る人がいるので吐き気止めの薬も出します。吐き気や眠気が出ても3日くらいで落ち着きますから、軽い副作用なら我慢して飲んでください。副作用が落ち着いたら薬を徐々に増やしていきます。最大量まで増やした人はほとんどみんな良くなりますから、がんばって飲みましょう。」