HOME > 院長BLOG > 2021年3月

院長BLOG

1

皮膚炎の出ていない帯状疱疹の診断と治療

2021.3.26 カテゴリー|その他の治療について

 季節の変わり目なので帯状疱疹の患者さんがたくさん来ています。

 帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点(はんてん)と小さな水ぶくれが帯状(おびじょう)にあらわれる病気です。帯状疱疹は、身体の中に潜(ひそ)んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって起こります。水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。

 

 帯状疱疹の治療で重要なのは早期診断です。なるべく早く診断して、なるべく早く抗ウイルス薬を内服すれば、皮膚炎や帯状疱疹後神経痛の悪化を防ぐことが出来ます。

 帯状疱疹特有の皮膚炎が出ていればサルでも診断出来ますが、皮膚炎がなく神経痛しか出ていないときは、筋筋膜性疼痛症候群などの他の痛みとの鑑別が非常に難しくなります。

 帯状疱疹の神経痛の鑑別のポイントとしては、ジッとしていてもピリピリやビリビリした痛みがあること、神経支配に沿った帯状の知覚鈍麻や知覚過敏があることなどが挙げられます。

 あと意外と重要なのは、患者さんの表情です。帯状疱疹の神経痛の患者さんは顔をしかめて診察室に入ってくることが多いです。

 

 先ほども書いたように、帯状疱疹の治療ではいかに早く抗ウイルス薬の内服を始めるかが勝負なので、私は帯状疱疹の可能性が高いと思った時点で抗ウイルス薬(バルトレックス)を処方します。

 また同時に、帯状疱疹後神経痛の治療薬のリリカカプセル25mgを1日2回1錠ずつで処方開始します。帯状疱疹後神経痛も他の痛みと同じで、痛みがひどくなる前に薬を飲んだ方が効くので、2~3日様子をみて痛みが改善しないときはリリカを漸増していきます。

 たまに他院で帯状疱疹の治療を受けていた患者さんを診るときがありますが、カロナールとかロキソニンを使って効かないからと後からリリカを処方していることが多いです。そしてリリカも十分な量まで増やさないで経過をみていることが多いです。

 これじゃ痛みが残ってしまいます。後からリリカを増やしてもなかなか効いてきません。

 

 はっきり言います。帯状疱疹後神経痛にカロナールやロキソニンは全然効きません。最初からリリカを十分な量まで使用するべきです。

 逆に言えば、リリカは帯状疱疹後神経痛以外の痛みにほとんど効きません。帯状疱疹の時に使わないでいつ使うのよ。

親の夢を子供に押しつけるのは危険だよ

2021.3.16 カテゴリー|その他

こんな悲しい記事を読みました。

 

医学部受験で9年浪人 〝教育虐待〟の果てに…
母殺害の裁判で浮かび上がった親子の実態

https://this.kiji.is/741154375854899200?c=39546741839462401

 

 この記事を読んで思いだした患者さんがいます。
 私が医者に成り立ての頃、大学病院の整形外科にもう10年近く入院している若い女性の患者さんがいました。最初は腰痛で入院し腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けましたが、痛みが取れずそのまま入院を続けていました。その経過中に、原因不明の右足首の化膿性関節炎が発症し治療しても良くならないため、右下腿部で足を切断しました。切断して感染が落ち着くと、今度は膝関節が化膿性関節炎になり同様の経過で右大腿部で切断。さらにその後、右股関節の化膿性関節炎になり、骨盤の半分を切除しました。
 私が担当したときは、おしりに大きな開放創があり、毎日そこを生理食塩水で洗浄するのが研修医の仕事でした。治療をして感染がおさまってもすぐにまた悪化することを繰り返していました。大学の先生達も原因がわからずただただ対症療法を繰り返すだけでした。
 原因がわかったのは、私が医師になって2年目の時です。いつものように開放創の洗浄をしようとした後輩が創の中からあるはずのない注射針を見つけたのです。そのことがきっかけで、患者さんが自傷行為を密かに繰り返したいた疑いが出て、精神科に紹介することになりました。
 精神科の教授の診断はミュンヒハウゼン症候群でした。
 ミュンヒハウゼン症候群は虚偽性障害に分類される精神疾患の一種で、症例として周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり、自らの体を傷付けたりするといった行動が見られます。
 精神科の教授の分析によると、患者さんは父親に医者になることを強制された結果、精神を病んでミュンヒハウゼン症候群になってしまったということでした。
 この患者さんはその後、精神科で治療を受けましたが症状が改善せず、5年後くらいに敗血症になって亡くなりました。
 
 
 外来にはいろいろな親子が来ます。中にはスポーツやっている子供本人より、親の方が熱心なケースが見られます。このようなケースを見ると、親が子供に自分の夢を押しつけているのではないか、本当は子供はこのスポーツをやりたくないんじゃないか、上記の患者さんのように心を病んでしまうのではないかと、とても心配になります。
 
 女子プロゴルフの畑岡奈紗選手は、娘の同級生です。お母さんのことはよく知っています。奈紗選手に対して両親からゴルフをやるようにすすめたことは一度もないそうです。本人がプロゴルファーになりたいと希望したため両親がバックアップをしただけだそうです。
 
 私も子供たちに自分の医院を継ぐように言ったことは一度もありません。私は自分の好きで開業医になったので、借金を返し終わって、年取ってやる気が無くなったら閉院するつもりです。
 
 私が親から医者になるように言われたことも一度もありません。小さい頃から勉強が得意だったので、一生食いっぱぐれない資格として医師免許をとっただけです。
 

 子供は親とは別人格で、親の所有物ではないのだから、医者でも、学歴でも、スポーツ選手でも親の夢を子供に押しつけるのは危険だよ。

 そこんところよくわかってない親がたくさんいて本当に心配だよ。

3歳からつづく原因不明の痛みがトリガーポイント注射で改善!

2021.3.15 カテゴリー|トリガーポイント注射

 11歳の男の子

 3歳の頃から左膝に痛みがあり、7歳くらいから痛みがひどくなりました。某大学病院でいろいろ検査を受けましたが原因がわからず、ナイキサン内服で経過を診られていました。

 先月、車で1時間かけて当院を受診しました。

 内側広筋にトリガーポイントを認めたので、「ここに注射すれば痛みが取れるかもしれないよ。どうする?」と本人に聞きました。

 一緒に来たお母さんは「是非打ってください。」と希望しましたが、「無理矢理注射しても効かないから、本人の意思が大事です。」と話して、本人の返事を待ちました。

 しばらく躊躇していましたが、「注射して欲しい。」と希望したので、ネオビタカインでトリガーポイント注射を打ちました。

 

 1週間後、再診しました。

 「痛みがだいぶ取れて、階段も上がれるようになったので、もう一度注射して欲しい。」ということでしたので、喜んでもう一度トリガーポイント注射をしてあげました。

 

 ここからは私の推測です。

 3歳頃の痛みはいわゆる成長痛だったのだと思います。

 ところが、病院に行っても医者は画像診断ばかりして患部に触れないため成長痛と診断できず、原因不明と診断されました。

 原因不明の痛みに本人も家族も不安になります。不安が痛みを増幅し慢性痛になってしまったのでしょう。

 まあ、大学病院で成長痛を診る機会はないからね。仕方ないけどね。

 

 成長痛 https://nishibori-seikei.com/blog/2012/10/post-98.html

 

 

Airペイも導入したのでJCBやiDも使えます。

2021.3.05 カテゴリー|医療機器、器具

 2月下旬にAirペイも導入しました。

 これにより今まで使えなかった。JCBカードやiDなども使えるようになりました。

 下の写真に載っているカードは全部使えます。Apple Payも使えるのでApple Watchで格好良く会計を済ますことも可能です。

 

DSC00153.JPG

 私はコンビニで前の客が財布から細かいお金を数えながら出しているのをみるとイライラして後ろから蹴飛ばしてやりたくなるくらいのキャッシュレス人間です。

 是非ともキャッシュレス決済にご協力ください。

1

最近の記事

カテゴリー

月別アーカイブ