2020.7.02 カテゴリー|その他の治療について
たまに受付で「診察なしで薬や湿布だけもらいたい。」と要求してくる患者さんがいますが、当院は診察なしでは薬も湿布だしません。
そもそも現在の保険診療制度の中では、医師の診察なしでお薬を処方することは認められておりません。
まれに診察なしで薬を処方する病院やクリニックもあるようですが、明らかな法律違反だし、症状の変化に気がつかずあわない薬や必要のない薬を処方してしまい、患者さんが不利益を被る可能性があるのでやるべきではありません。
80歳の男性
3ヶ月前に自然と腰が痛くなりました。某整形外科クリニックを受診してレントゲンを撮りました。
「腰の骨が潰れているけど、痛みとは関係ないだろう。」と説明されて痛み止めが処方されました。
そのあと2回ほど診察を受けずに痛み止めだけをもらいましたが、痛みが取れないため通院をやめたそうです。
3ヶ月しても治らないので当院を受診しました。
レントゲン上、第2腰椎と第5腰椎の圧迫骨折を認めました。寝て起きるときに痛いなどの症状から圧迫骨折による痛みと診断し、テリボン皮下注射を開始しました。
この患者さんは、2回目に某整形外科を受診した際に、薬だけもらわずにちゃんと診察を受けるべきでした。
以前にも書きましたが、医師は1回の診察だけで確定診断が出来ることはほとんどありません。1回目である程度の診断をつけて、治療をしてみて、その反応や経過を診て、検査を追加したりして徐々に診断を確定していって、治療方針を決めていくのです。
某整形外科の院長先生だって、痛み止めを出しても全然良くならないなら、もしかして圧迫骨折が進行しているんじゃないかと考えて、もう一度レントゲンを撮ったはずです。そうすれば、もっと早く痛みが楽になっていたはずです。
痛み止めと湿布だけ欲しいだけなら、わざわざ医者にかからずにドラックストアに買いに行けばいいのです。
医者も医者で、診察しないで薬を出すなんて無責任すぎます。
当院では診察なしでは薬も湿布もださないよ。