2013.2.27 カテゴリー|ビオチン療法
掌蹠膿疱症の治療のために当院を受診する患者さんの中には、既に別の皮膚科からビオチンを処方されている患者さんがいます。
「ビオチンを飲んでいるけど、治らない」と言います。
それらの患者さんの共通点は、たった一つ、タバコを止めていないということです。
掌蹠膿疱症は禁煙しなければ治りません。喫煙していては、いくらビオチンを飲んでも焼け石に水です。
2013.2.26 カテゴリー|その他
仕事中の怪我は労災です。健康保険は使えません。
休憩中でも、職場の敷地内で怪我をした場合は労災です。健康保険は使えません。
職場への通勤中にけがをした場合も労災です。健康保険は使えません。
労災の治療費は、労働保険から支払われます。
労災と分かっているのに、治療費を健康保険に請求することは、健康保険に対する詐欺行為です。
2013.2.26 カテゴリー|湿潤療法
2月19日に東京新聞に、ヤケドに対する湿潤療法についての記事が掲載されました。
「広がるやけどの湿潤療法、痛みや後遺症、大幅減」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2013021902000186.html
以下転載
広がるやけど湿潤療法 痛みや後遺症 大幅に減少
2013年2月19日
外来のやけどの治療現場で、患部を保湿して皮膚を再生させる湿潤療法が広がっている。軟こうとガーゼによる治療と比べ、痛みや後遺症を大幅に減らせるためだ。従来の治療では皮膚移植に至る症例も、「湿潤療法で治せる場合が多い」と指摘する医師が増えてきている。 (林勝)
愛知県内の会社員(28)の長女(3つ)は昨秋、夕食中に鍋の熱いスープを誤って左手にかけた。救急病院に行き、患部に軟こうを塗ってガーゼで覆う処置を受けたが、その後も痛みで泣き続けた。母親(28)は、インターネットでやけどの湿潤療法を知り、長女に受けさせたいと思った。
翌日、やけど治療の実績がある病院の形成外科を受診。ガーゼを患部から引き剥がす時に長女は再び大泣きした。「やけどが深いから皮膚移植が必要かも」と医師。「湿潤療法でお願いします」と訴えたが、返ってきたのは「うちではできません」だった。病院を変えることを決めた。
名古屋市昭和区の杉浦医院(内科・小児科・在宅医療)で湿潤療法が受けられることを知り、早速受診。森亮太院長は「これならきれいに治る」と、患部に付いた軟こうや水疱(すいほう)の皮をできるだけ除去。体に無害のワセリンと被覆材で患部を保護した。すると長女は、ぴたりと泣きやんだ。
自宅では毎日、患部を水道水で洗い、ワセリンを塗った新しい被覆材と交換。森さんの指示で、痛みや腫れを伴う感染症に注意しながら続け、皮膚は徐々に再生。やけどから二十四日目には、ほぼ回復した。「湿潤療法を受けさせて良かった」と母親。一方「なぜ、大きな病院でできないのか」と不満をあらわにした。
杉浦医院にはこの患者のほか、湿潤療法を求めて別の病院の形成外科や皮膚科の治療をやめて来る人が増えている。両科の治療に共通するのは軟こうとガーゼ。「この処置が皮膚の再生を妨げている」と森さんは言う。
◇
湿潤療法の普及に努める練馬光が丘病院傷の治療センター(東京)の夏井睦医師は「軟こうの成分と、ガーゼによる乾燥が問題」と指摘する。
いずれも感染を防ぐのが主な目的だが、軟こうに含まれる殺菌剤や界面活性剤は、皮膚や傷口の細胞を破壊する。ガーゼは空気を通すため、患部を乾燥させて、さらに治癒を遅らせる。激しい痛みは乾燥で起こり、患者に大きなダメージを与えると、夏井さんは考えている。
こうした治療が行われるのは、日本熱傷学会が標準治療として認めているためだ。夏井さんは「結果的に傷を深くした上で、別の場所の皮膚を剥がして移植をしている。患者は、傷痕や触覚が鈍る後遺症にずっと苦しめられる」と話す。
一方の湿潤療法のポイントは、患部とくっつかない無害の素材をかぶせ、滲出(しんしゅつ)液をとどめて乾燥を防ぐこと。毎日水洗いして、被覆材を交換すれば、感染症はほとんど防げるという。夏井さんは「治療結果から、患者の生活の質のレベルが違うはずだ」と強調。背中全面に負った重いやけども、湿潤療法で治した実績がある。
日本熱傷学会に所属する中部地方のある医師も、皮膚移植に至る治療に疑問を感じている。「もし自分の娘がやけどしたら、皮膚移植は受けさせない」と漏らす。
同学会理事の仲沢弘明・日本大医学部形成外科主任教授は「インフォームドコンセント(十分な説明と同意)なしに、安易に皮膚移植が行われているのであれば大問題。ガイドラインについても検討する必要がある」とコメントした。
夏井さんは、ホームページ「新しい創傷治療」で、湿潤療法が受けられる全国の医療機関を紹介している。
当院もヤケドに対して湿潤療法を行っています。
2013.2.25 カテゴリー|ビオチン療法
48歳女性
16年前から掌蹠膿疱症がありましたが、皮膚科に通ってもよくならないため放置していました。
3か月くらい前から左股関節から左下肢のかけて痛みが出現しました。近くの整形外科でレントゲンを撮り、異常なしといわれ、痛み止めの内服薬と、温熱療法を受けたがよくならなりませんでした。そのあと、接骨院にも通いましたが、痛みはだんだん強くなり歩行も困難になりました。ネットで当院のことを知り、先月、車で1時間半かけて当院を受診しました。
典型的な、掌蹠膿疱症性関節炎でした。タバコを1日20本吸っていたので、今すぐに禁煙するように指導して、ビオチン療法を開始しました。
1か月後に再受診した際には、痛みも皮膚炎もほぼ消えていました。(もちろん禁煙に成功していました。)
以前にも書きましたが、掌蹠膿疱症性骨関節炎の痛みは「禁煙」と「ビオチン療法」で速やかに消えます。
2013.2.22 カテゴリー|骨折・捻挫の治療
65歳女性
段差で滑って、右足首を内側にひねって受傷しました。足の甲の外側が腫れて痛いため、翌日当院を受診しました。レントゲン(上図)で第5中足骨基部結節部に骨折を認めました。
わかりにくいので骨折部をアップにしてみました。矢印の先に骨折線が見えます。
下駄をはいていて転倒するとここが折れることが多かったので、かつては「下駄骨折」とよばれていました。「下駄をはかせているだけで治る」ともいわれているほど治りやすい骨折です。しかし、痛みがあるので2~3週間は、下のような靴型のシーネ固定をします。
2年ほど前にサッカー日本代表の香川真司選手がこれと同じ骨折をしました。新聞やテレビは「足の小指の付け根の骨折」と報道していましたが、実際は「足の甲の外側の骨折」です。新聞やテレビなんて、適当だから、あまり真に受けちゃダメですね。