2013.3.31 カテゴリー|湿潤療法
5歳の女の子
千葉県から、親戚のうちに遊びに来ていて転倒し、顎の下をパックリと切ってしまい。当院を受診しました。
顎の下が約2㎝切れていて、皮膚の緊張により大きく広がっていました。
キシロカインゼリーで表面麻酔をしてから、皮膚を寄せてキズを閉じて、ステリーテープで固定しました。
これは夏井先生と同じ方法です。
頭部・顔面の治療例 ⇒ 裂創はテーピングで治療
http://www.wound-treatment.jp/title_tiryou.htm
痛くない治療をしたので、治療中、騒いだり泣いたりしませんでした。
数日内に千葉に帰るというので、自宅周辺で湿潤療法をやっている医療機関のリストを渡して、紹介状を書きました。
外傷を湿潤療法している医師リスト
http://www.wound-treatment.jp/dr/dr.htm
紹介状を渡すときに、
「必ずこのリストに載っている医療機関に行ってください。それ以外のところに行った場合、テープをはがされて、糸で縫われる可能性が高いです。」
と説明していたら、それを聞いていたそれまでニコニコしていた女の子が
「縫うのはヤダ、縫うのはヤダ」
と急に泣き出しました。
こんな小さな子でも、縫われると痛いってわかっているんだなぁ。
確かに、夏井先生の方法を知るまでの裂傷治療は、子供をみんなで押さえつけて、無理やり局所麻酔を注射して縫ってましたから。
子どもにとっては恐怖でしかないですよね。
2013.3.29 カテゴリー|その他の治療について
交通事故にあった後に、
「どこも痛くない。でも、後で後遺症が出ると困るから診察してください」
といって、整形外科を受診する患者さんがたくさんいます。
どこも痛くない人の、どこを診察したらいいのでしょう?
全身の関節の動きを確認して、全身の筋肉を触診して、全身のレントゲンを撮れというのでしょうか?
もし、事故によって、骨が折れていたり脱臼していたら、事故直後からすごく痛いはずです。
筋肉を損傷している場合でも、3日以内に痛みが出てくるはずです。
(それ以降に出た痛みは、事故とは無関係です。)
人間の体のどこかが損傷されれば、必ず痛みという危険信号を出します。
どこも痛くなければどこも悪くないのです。
どこも悪くなければ後遺症が出るはずありません。
交通事故にあった患者さんに、
「念のため病院で診察を受けてください」
と勧める馬鹿な保険会社や、おせっかいな素人がたくさんいますが、無視してください。
病院での診察は痛みが出てからで十分間に合います。
2013.3.29 カテゴリー|その他
久しぶりに「ふれラジいばらき金曜日」にメッセージを送りました。
友人の梅嶋教信さんが、今日で番組を卒業するので、メッセージを送るのはこれが最後です。
ラジオネーム ぼりぼりぼりいいいいいいいいいいい
今さん 梅島さん
お久しぶりです。お疲れ様でした。
お二人は「ウイナーズサークル」という名の競走馬をご存知でしょうか?
日本のサラブレットのほとんどが北海道で生産されます。
なので、シンボリルドルフやオグリキャップ、ナリタブライアン、ディープインパクトなどの名馬はすべて北海道出身です。
そんな中、「ウイナーズサークル」は数少ない茨城県出身のサラブレットです。
1988年、福島競馬場でデビューしましたが、最初はなかなか勝てず、翌年になって、何とか2勝して、G1「皐月賞」に出走しました。
7番人気とあまり注目されていませんでしたが、最後の直線で激しく追い込み2着に入りました。
そして、競馬の祭典ダービーに出走しました。最後の直線で、リアルバースデーとの激しいたたき合いを制し、茨城県出身の馬として初めて「ダービー」を勝ちました。
その後、「菊花賞」の競争中に骨折してしまい引退をしました。
北海道生産馬以外のダービー馬は、「ウイナーズサークル」だけです。
現在、ウイナーズサークルは、笠間市岩間の東大牧場で余生を送っています。
数年前、東大牧場の一般開放日にウイナーズサークルを見に行きました。だいぶおじいちゃんになっていましたが、ダービー馬としての誇りを目にたたえていました。
「ウイナーズサークル」サイコー 「いばらきサイコー」
梅嶋さんご苦労様でした。
2013.3.27 カテゴリー|湿潤療法
9歳の元気な女の子
ヤカンのお湯を両足にかけてしまい、受傷しました。
救急車で某総合病院救急外来を受診して、ゲーベンクリームとガーゼによる治療を受けました。
翌日、当院を受診しました。
初診時の左足の写真
以後、当院で湿潤療法による治療を行いました。
最初の1週間は穴あきポリ袋とペットシートで治療して、その後はプラスモイストで治療しました。
6週間で治りました。従来の熱傷治療では、受傷後2週間で治癒してなければ植皮手術なので、醜い痕が残ったと思われます。
2013.3.26 カテゴリー|その他の治療について
13歳女性
8か月前から右手首の小指側に痛みが出現しました。5か月前に痛みがひどくなったため、某整形外科を受診しました。
そこで、TFCC損傷と診断され装具による外固定を受けていましたが、良くならないために当院を受診しました。
TFCC損傷じゃない可能性もあると考え、丹念に触診をしました。
TFCC部には圧痛を認めませんでしたが、尺側手根伸筋腱が通る腱鞘(第6コンパートメント)に圧痛を認めました。
TFCC損傷ではなく、腱鞘炎だったのです。
手首の小指側を痛がっている人には、この部位の腱鞘炎の方がけっこうたくさんいます。