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湿潤療法を知っていたお母さんに感謝

2013.3.18 カテゴリー|湿潤療法

9歳の女の子

 

自転車で転倒して、顔をすりむきました。お母さんが湿潤療法について知っていたので、市販のハイドロコロイド(キズパワーパッド)を貼って、翌日当院を受診しました。

 

上が受診時の写真です。そのままハイドロコロイドを使用した湿潤療法を続けました。下唇の下はハイドロコロイドがはがれてしまうので、ワセリンを厚く塗ることで対応しました。

 

1週間後にはきれいに治りました。

8644b.jpg

消毒やガーゼで治療した場合、もっと時間がかかって、疵が残ってしまった可能性もあります。

 

大きくなったら、お母さんが湿潤療法を知っていたことに感謝をしなければいけません。

高齢者の両足先の痺れにトリガーポイント注射が有効だった一例

2013.3.15 カテゴリー|トリガーポイント注射

83歳男性

 

4年前より両つま先にしびれがあり、内科医院よりロキソニン、メチコバール、ミオナール、オパルモンが投与されていました。症状がよくならないために、当院を受診しました。

 

初日、左足底から左短母趾屈筋に注射しました。

4日後再診、左足の痺れはとれたので、右足底から右短母趾屈筋に注射しました。

さらに3日後、また左足にしびれが出てきたので、左短母趾屈筋に注射しました。

さらに2日後、両足の痺れは取れたけど、左足背に痛みがあるというので、左足背から左背側骨間筋と左下腿前方から左長母趾伸筋に注射しました。

さらに2日後、痺れも、痛みもだいぶ良くなったというので、ダメ押しに、今まで打ったところ全部に注射をしました。

 

高齢者で両足にしびれがある患者さんはたくさんいます。そのうちの多くが、下腿から足にかけての筋肉に出来たトリガーポイントが原因だと思われます。トリガーポイント注射で良くなる可能性があります。

 

ただ、これらのトリガーポイントは慢性的なものになっているので、注射で一度よくなってもまた再発する可能性が高いです。

今の僕なら治せただろうな

2013.3.12 カテゴリー|湿潤療法

整形外科医になりたてで、大学病院に勤めていた時、一人の女の子を担当することになりました。

 

その子は先天的な病気で、背骨が後ろ側に大きく曲がっていて(脊椎後弯)、その先端部分の皮膚の血流が悪くなって、そこに皮膚潰瘍ができていました。その皮膚潰瘍を治すことを目的に、大学病院に紹介入院してきました。

 

当初は、広背筋皮弁で潰瘍部を覆う手術をする方針でしたが、潰瘍部の培養でMRSAが検出されてから、大きく予定が狂ってしまいました。

 

当時、MRSAは抗生剤がきかない細菌として、必要以上に恐れられていました。そこで、MRSAを消すために、毎日、イソジンで創をグリグリ消毒していました。その結果、創はさらに深く大きくなっていきました。

 

 いくら、消毒してもよくならないので、皮膚潰瘍のそもそもの原因である脊椎後弯を治すことになり、他大学から脊椎後弯手術の権威を呼び寄せ、脊椎を切って矯正し金属で固定する手術を行いました。

 

しかし、術後、創が開いてしまいそこからまたMRSAが検出されました。MRSA感染による創離解と診断され、MRSAを無くすために、金属を抜去する手術をしなくてはいけなくなりました。

 

 結果、創は塞がりましたが、脊椎が不安定になってしまったため、座ることが出来なくなり、それまで車いすに座って移動していた女の子は、特注の車いすにうつぶせに寝て移動する形で、退院していきました。

 

入院時より生活における不自由さは明らか増してしまいました。

 

今の僕なら、湿潤療法を知っているので、最初の段階で皮膚潰瘍を治せたかもしれません。

 

いや、今の僕なら、最初から無理に皮膚潰瘍を治す必要はないと説明すると思います。

 

毎日お風呂に入って、その後に、皮膚潰瘍にプラスモイストを貼ってもらうだけでいいのですから、患者さんにも家族にもたいした負担はかかりません。

 

下手な手術をして、座れなくなってしまうことを考えればずっとましなはずです。

 

もちろん当時としては、正しい治療としていると信じて治療をしていました。

 

医学は日々進歩しているので、新しい治療法が登場して、今まで正しいと思われていた治療法が、否定されることはざらにあります。

 

だから、医師は日々勉強し続け、躊躇なく新しい治療を取り入れていかなければいけない思っています。

自動車保険には弁護士特約を付けましょう

2013.3.12 カテゴリー|その他

  整形外科医なので交通事故にあった人をたくさん治療してきました。交通事故で通院している人のほとんどが、停車中に追突されて、首の筋を痛めた人です。停車中に追突事故にあった場合、100%相手の過失になるので、治療費や自動車の修理費などは相手の保険会社が支払うことになります。

 

 しかし、相手が無保険だった場合や、酔っ払い運転だったりした場合は、保険会社から支払いを受けることが出来ないので、自分で直接加害者に請求しなければいけません。

 

 自分側に少しでも過失があった場合は、自分の保険会社が間に入ってくれて、相手と交渉してくれますが、全く過失がない場合は自分の保険会社は何もしてくれません。(というか、法律上相手と交渉することが出来ません。)相手がヤクザだろうが、不法入国者だろうが、自分ですべて交渉しなければいけなくなります。

 

 法律や保険のことがわからない一般の方が、相手との交渉を行うのは非常に大変です。結局は泣き寝入りしてしまうことが多いようです。

 

 そこで、お勧めしたいのが、自動車保険に弁護士特約をつけることです。これに入っていれば、自分側に全く過失がなくても、事故の際に弁護士が間に入って相手と交渉してくれます。

 

 弁護士の費用は全て保険会社が払ってくれますし、自分側に過失がなければ保険料が上がることもありません。特約料も年間で1000~2000円程度なので、次回自動車保険を更新する際に是非検討してください。

大雪の日の思い出

2013.3.11 カテゴリー|その他

医学生時代は福島市に住んでいました。

 

友人たちとお酒を飲んでいたら、大雪が降ってきました。家に帰ろうとタクシー乗り場に行くと、長い行列ができていて、2時間以上かかると言われました。

 

仕方ないので、歩いて帰ることにしました。普段なら40分くらいで歩ける距離です。

 

歩いている途中でアイスバーンで足を滑らし転倒し、後頭部を強打しました。

 

すぐに起き上って、また歩き始め家につきました。

 

家について時計を見ると、歩き始めてからすでに3時間以上たっています。

 

なんでだ????

 

転んで頭を打ったとき、そのまま2時間くらい気を失っていたようです。

 

いや~~~~、凍死しなくて良かった。

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