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間違いだらけのコロナ対策

2021.1.06 カテゴリー|新型コロナ

 岩間中学校の学校保健委員会で、コロナ対策について講演するように頼まれたので、私なりの対策をここに記したいと思います。

 私は整形外科医で、呼吸器感染症の専門家でもウイルス学の専門家でもないので、細かいところは突っ込まれてもわかりませんし、無視しますのでご了承ください。

 Q&A方式でまとめてみます。

 

Q,新型コロナウイルスは撲滅できるの?

A,撲滅は不可能です。

 人類が撲滅できたウイルスは天然痘ウイルスだけです。

 天然痘ウイルスには以下の3つの条件がすべてそろっていたため撲滅することができました。

 ①不顕性感染が少なく、特有の疱瘡ができるため患者の隔離が容易だった。

 ②ヒト以外に感染しないウイルスだった。

 ③一度摂取すれば終生免疫ができる非常に有効なワクチンがあった。

 新型コロナウイルスは、①も②も③も当てはまらないので撲滅なんてできるわけありません。インフルエンザウイルスと同様に新型コロナウイルスと共存するしか人類が進む道はありません。

 

Q,ワクチンができれば感染者数は減るの?

A,感染者数は減りません。重症者数と死者数は減ります。

 現在、欧米で摂取が開始されているワクチンは、感染後に重症化するリスクを減らすもので、感染を予防する効果はほとんどありません。なので国民全員がワクチンを受けても感染者数は減りません。

 しかし、ワクチンを打つことで国民が安心して、マスコミが感染者数を報道することをやめれば、コロナパニックは収束します。

 

Q,新型コロナは空気感染するの? 

A,空気感染はほとんどしません。主な感染経路は飛沫感染です。

 新型コロナが空気感染するなら、満員電車で毎日のように大規模な集団感染が起きるはずです。しかし、実際に集団感染が起きているのは、介護施設だったり、合宿所だったり、宴会場やカラオケ店などです。これはつまり、新型コロナウイルスが主に飛沫感染で広がっている証拠です。

 感染者が大声を出したり、咳をしたりするとウイルスを含んだ唾が飛び散ってあちこちに付着します。その付着したウイルスを触ってしまった指先で目や鼻や口の粘膜を触るとそこからウイルスが体内に侵入します。これが飛沫感染です。

 宴会で酔っ払って大声で騒いだ患者さんの唾が付いた食事を摂取した際も感染します。これも飛沫感染です。

 

Q,マスクは常につけてる必要があるの?

A,大声で話したり歌ったり、咳やくしゃみをするときだけつけていれば問題ありません。

 上に書いたように、新型コロナウイルスは主に飛沫感染で広がるので、唾を飛ばさないようにすれば感染拡大を予防できます。マスクは唾を飛ばさないためにするものです。なので黙っているときはマスクをしていても意味がありません。同じ理由で、鼻水が出ていない人はマスクから鼻を出していても問題ありません。

 また、外で運動するときにマスクをする必要はありません。運動中に顔に唾がかかることはほとんどありませんから。

 

Q,アルコールによる手洗いは有効なの?

A,それなりに有効です。

 指先にウイルスが付着している場合は有効ですが、それよりも極力目や鼻や口の粘膜を触らないように気を付けることのほうが重要です。

 

Q,無症状の感染者が他の人にうつす可能性はあるの?

A,以下の論文によると0%です。

 「1000万人を対象」とした大規模な新型コロナウイルスの無症候性の感染研究で「症状のない陽性者による感染事例は《0%》」だったことが判明。症状のない人たちを隔離する無意味さがさらに明らかに

https://indeep.jp/asymptomatic-transmission-of-corona-virus-did-not-occur-at-all/

 ネイチャー・コミュニケーションズのこの研究「中国武漢の約 1,000万人の住民における封鎖後のSARS-CoV-2核酸スクリーニング」と題された論文では、無症候性キャリアが感染を拡大させていない概念が明らかとなった。

 
 調査対象の約 1,000万人のうち、「 300人の無症候性症例」が見つかったと研究は述べている。その後、コンタクト・トレーシング(濃厚接触者の追跡)が行われ、その結果、合計 1,174人の濃厚接触者のすべてが COVID-19に陰性で、陽性症例は 1人もいなかった。
 
 その後、無症候性の患者と濃厚接触者の両方が 2週間隔離されたが、その 2週間後も結果は同じままだった。

 無症状の感染者が他の人にうつす可能性がないのならば、無症状の人がマスクをする意味はなさそうです。

 

Q,フェイスシールドやマウスシールド、透明な衝立などは感染予防効果があるの?

A,感染予防効果はありません。むしろリスクを高める可能性があります。

 大声で話したり咳をしたときの、唾の飛沫は四方八方に飛び散るので、顔の前の一部しか覆っていないフェイスシールドやマウスシールドには飛沫防止効果はありません。

 また、使用後のフェイスシールドやマウスシールドには唾の飛沫がたくさんついているので、ほかの人がうっかり触ってしまったら、感染拡大の原因になります。

 透明な衝立やビニールシートも意味がないどころか、かえって危険です。唾の飛沫は何もなければ床に付着しますが、衝立があったらそこにくっつきます。床を触る人はいませんが、手が届くところにある衝立やビニールシートはうっかり触ってしまう可能性があるので、かえって感染拡大の原因になります。

 

Q,空間除菌は効果があるの?

A,新型コロナウイルスはほとんど空気感染しないので効果はありません。むしろ人体に有害です。

 次亜塩素酸などの消毒薬を、加湿器や空気清浄機に入れて空間除菌をしている人がいるようですが、新型コロナウイルス感染予防に無効なだけでなく、人体に有害なので絶対にやめましょう。

 それから、名札のように首から下げるだけで、空間除菌できるとうたっている商品もありますが、あんなものでウイルスが死ぬわけないことは中学校レベルの理科をちゃんと理解していれば誰でもわかることです。首からぶら下げていると「私は馬鹿です。」と宣伝して歩いているようなものなので今すぐ捨てましょう。

 

Q,中学校のコロナ対策は具体的に何をすればいいか?

A,日本では新型コロナウイルスによる死んだ子供は一人もいません。子供たちにとってはインフルエンザのほうがよっぽど危険です。

 なので、子供達は今まで通りの普通の学校生活を送っていても問題ないはずです。修学旅行も体育祭も合唱祭もやっていいはずです。

 でも、今は日本中がコロナパニックに陥っているので、学校内で集団感染なんて起きると大騒ぎになってしまうので、感染対策をせざるを得ません。

 体調が悪い生徒は無理に学校に来ないで、家で寝ていましょう。そのためには学校を休みやすい雰囲気づくりが必要です。具体的には欠席が少ない生徒はまじめな生徒という評価基準を見直しましょう。

 給食は静かに全員同じ方向を向いて食べましょう。静かに食べる給食なんて味気なくて子供たちがかわいそうですが、仕方ありません。

 話したり歌ったりするときはマスクをしましょう。

 そして何より、免疫力を弱めないために、十分な睡眠をとりましょう。睡眠時間を削るような大量の宿題を出さないでください。

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