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「交通事故にあうと、後から痛くなる」は迷信(再掲)

2019.8.20 カテゴリー|医療に関する迷信

 交通事故にあって、痛みも痺れもないのに、「後から痛くなると困るから検査してください」と言って、受診する患者さんがけっこういます。
 
 先日も、交通事故にあってから10日くらい経っていてどこも痛くないのに会社の先輩たちから「後から痛くなると困るから検査を受けたほうがいい」と勧められて受診した患者さんがいたので、6年前に書いたブログを再掲します。
 
 こういう患者さんが来ると、いつも困ってしまいます。どこも痛くない人の、何を調べらばいいのでしょう。全身のレントゲンでもとればいいのでしょうか?一応、事故の時に痛くなることが多い、首と腰の動きを調べて、痛みによる動きの制限がないことを確認して、「心配ないでしょう。交通事故の痛みが後から来るとというのは、迷信です。」と説明しています。
 
 交通事故にあって、骨折や脱臼など、レントゲンで分かる怪我を負ったときは、事故直後から強い痛みがあるはずです。それ以外の、レントゲンやCTやMRIなどの画像所見で異常がない痛みは、事故による筋肉痛です。
 
 事故による筋肉痛には2種類あって、事故の衝撃で筋肉がのばされたことによる筋肉痛と、火事場の馬鹿力による筋肉痛です。通常、筋肉は最大筋力の30%くらいしか使えないようになっています。それ以上の筋力を使うと筋繊維が壊れてしまうからです。しかし、事故にあった場合などは、体を守るために100%の力を発揮します。これを、昔から火事場の馬鹿力とよんでいます。火事場の馬鹿力を出すことで筋繊維が壊れ筋肉痛を起こします。
 
 子供の運動会などで、急に走ったとき、翌日や翌々日くらいに筋肉痛が出た経験がある方はたくさんいると思います。それと同様に、交通事故による筋肉痛も3日以内に出現します。そして、ほとんどの場合、運動会の筋肉痛と同様、1週間くらいで良くなります。
 
 つまり、交通事故の痛みは、通常3日以内に発生します。それより後に出た痛みは、交通事故と関係がない痛みです。
 
 それから、レントゲンを撮っても、MRIを撮っても、CTを撮ってもどんなに検査をしても後から出るかもしれない痛みの原因を見つけることなんて不可能です。なので診察を受けても意味がありません。
 
 「交通事故にあうと、後から痛くなる」というのは迷信です。

丁寧な説明が「呪いのことば」になってしまう悲劇

2019.8.16 カテゴリー|トリガーポイント注射

 40代の男性

 3日前から右膝が痛くなり当院を受診しました。

 念のためレントゲンを撮りましたが、右膝の骨には全く異常はありませんでした。

 触診すると右大腿四頭筋内側広筋にトリガーポイントを認めたました。

 それより何より、右大腿四頭筋の著しい萎縮を認めました。

 話を良くを聞いてみると、5年前に足首を骨折して、某病院で手術を受け、そのときに「(骨折で足首が変形したから)将来、膝も痛くなるでしょう。」と言われたそうです。

 それでずっと膝をかばって生活していたようです。
 
 「それは、『将来、膝も痛くなることもあるかもしれない。』程度の話です。よけいな心配して、膝をかばっていたから、こんなに筋肉が萎縮してしまったのです。どんどん動かさないと、かえって痛みがひどくなってしまいますよ。」
 と説明したけど、通じたかな?
 トリガーポイント注射も受けていかなかったし、呪いは解けなかった可能性が高そう。
 
 30年くらい前からインフォームド・コンセントという言葉がでてきて、手術前に患者さんには起こりえる合併症や副作用について十分な情報提供をして、納得してもらって同意を得てから手術をするということが病院で行われるようになりました。
 これは、はっきり言って医療訴訟対策です。
 後から訴えられないように、前もって細かく説明するのです。真面目な医師ほど細かく説明します。
 
 でも、心配性な患者さんは、滅多に発生しないような合併症についても、必ず発生するのではないかと不安になってしまいます。
 心配性の患者さんには、ドラマの女医のように「私、失敗しないので!」と言ってあげるのが一番安心してもらえるのですが、さすがにそれは無理です。医学は何が起こるかわからないので。
 私なんかは、ざっくりと「手術は温泉治療と違って、いろんなことが起こる可能性があるけど、そのときは全力で対応します。」と説明していました。
 おかげさまで一度も訴えられたことはありません。運が良かっただけですけどね。
 
 丁寧な説明が、患者さんの受け止め方次第では「呪いのことば」になってしまうこともある。
 ということです。やはり医学は何が起こるかわからない。

信頼関係が大切だから二股かけちゃダメだよ

2019.7.29 カテゴリー|その他の治療について

 70代の女性

 5年くらい前に転倒して左殿部を打撲してから、ずっと左殿部が痛いそうです。

 ○○整形外科に通院して湿布と電気治療を受けているけど良くならないため、知人に勧められて当院を受診しました。

 

 ○○整形外科の湿布の種類を確認するためにお薬手帳をみせてもらったら、△△病院の整形外科からも別の湿布をもらっていました。

 「なんでこれ、2カ所の病院から湿布もらっているの?」

 「怪我してすぐに△△病院にかかって、そのままずっと治療を受けています。」

 「てことは、ずっと2カ所の病院で治療を受けていたってことなの。そのことを○○整形外科の先生や、△△病院の先生は言ってある?」

 「いえ、言ってません。」

 「それ一番ダメな治療の受け方だよ。痛みの治療に関しては医者と患者の信頼関係が一番大切です。医者に内緒で、同じ病気で別の医者にかかっていたら信頼関係は築けません。医者によって診断や治療は変わります。特に俺は、他の医者とは違う診断と治療をするので、○○整形外科の先生や△△病院の先生とは全然違う説明をするでしょう。すると患者さんは混乱してよけいに治りが悪くなってしまします。」

 「二股かけている人とは信頼関係は築けないでしょ。浮気しちゃダメ、本命一本に絞らないとダメ。」

 「今後、○○整形外科や△△病院の通院を止めて、治療を当院一本に絞る決心がついたら、また受診してください。」

 と説明して、一度お帰りいただきました。

 

 信頼関係が大切だからね。二股かけちゃダメだよ。

トリガーポイント注射にエコーなんか必要ないよ

2019.7.25 カテゴリー|トリガーポイント注射

 なんかねぇ。ちょっと失礼な電話が来たのよ。

 「おたくでは、トリガーポイント注射のときにちゃんとエコーを使ってますか?」だって。

 てことは何かい。ちゃんとエコーを使っていないトリガーポイント注射はちゃんとしたトリガーポイント注射じゃないってことかい。

 冗談言っちゃあいけねぇよ。

 

 トリガーポイント注射にエコーなんて必要ないからね。

 エコーなんか使わなくても、ちゃんと触診して位置を確認して、針先に神経と集中して、針が筋膜を突き抜ける感覚や、トリガーポイントに当たって筋肉がビクッと収縮する感覚がわかれば、ちょうどいい深さに注射を打てますからね。

 

 だいたい、いっぺんに40カ所くらいトリガーポイント注射する患者さんもいるのに、いちいちエコーで針の深さを確認していたら、一人だけに30分以上かかっちゃってうよ。毎日100人以上の患者さんが来ているのにどうすんのよ。どうやっても終わらないじゃん。

 

 トリガーポイント注射にちゃんとエコーを使っているお医者さんは、エコーがないと針先が筋肉に刺さったかどうかわからないんだっぺね。

 加茂先生や私に簡単にできることが出来ないからエコーが必要なんだね。

 時間も費用もかかってお医者さんも患者さんも大変だね。ご苦労様でござんす。

仙人草による化学熱傷

2019.7.18 カテゴリー|湿潤療法

 仙人草を手首に貼ると扁桃炎の痛みが取れるという民間療法があるそうです。

 詳しくはこちら↓

 https://www.lab2.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/mihon/sennninnsou.html

 民間薬として扁桃腺炎に⇒生葉1枚を三分の一の大きさに切り、片方のみの手首の内側に貼ってガーゼを当てて包帯で軽く巻き、5分ほどおきます。その頃にはその部分に痛みを感じると扁桃腺の痛みは取れてきます。葉を当てた部分は発疱しているので、ぬるま湯で軽く洗います。5分以上当てておくと、火ぶくれの後が治りにくくなりますから、決して5分以上は貼らないでください。
※毒草なので、片方の手首のみにして、5分以上は貼らないこと。
 
 
 30代の男性
 扁桃炎に効くと言われて仙人草を左手首に貼ったら、でっかい水疱が出来たので2日後に当院を受診しました。
 初診時の画像
2907a.jpg
 水疱膜を除去したら、真ん中あたりは白くなっていて、2度の深い化学熱傷と診断しました。
 プラスモイストDCで湿潤療法を開始しました。
 1週間後の画像
2907b.jpg
 無事上皮化しました。
 
 仙人草はプロトアネモニンという有毒物質をもっています。
 この有毒物質が皮膚を傷害して化学熱傷をおこします。
 
 ヤケドの痛みが強すぎで、扁桃炎の痛みを感じなくなるだけなんじゃねぇのと私なんかはそう思います。

 危険な民間療法はやっちゃダメよ。

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